6点を追う五回二死三塁の好機。前の打席では三振で得点機を逸しただけに、「キャプテンをホームにかえす」と気合を入れた。追い込まれながらも打ち返したボールは、遊撃正面に転がった。「自分の売りは脚力。何とか焦らせる」。一塁に全力疾走すると、送球が本塁側に少しそれ、一塁手の足が浮いている間にベースを駆け抜け、1点をもぎ取った。
骨折乗り越え、打率4割超
1年生から不動の1番打者だったが、今春の県大会で骨盤を骨折し、2か月にわたって下半身を動かせない日々に。焦る気持ちがある中、腕の使い方を磨く機会だと捉え、トスバッティングなどで、バットが体の前で走る感覚を養った。
迎えた今大会は、初戦から安打を重ね、3試合で11打数5安打と4割超の打率を残した。しかし、この日の試合は、五回に出塁したものの、三、七回の得点機にいずれも三振で好機をつぶした。
悔しさを糧に来年へ
打ちたい気持ちが空回りしたといい、直球に狙いを絞っていたが、ボールになる変化球に手を出すなど、打席で迷ってしまったと振り返る。「今年は結果を残せなかった。チームを引っ張り、先輩たちの分まで甲子園を目指す」。この夏の悔しさを糧に来年の活躍を誓った。(新中健斗)



