仙台育英は5日、第108回全国高校野球選手権大会1回戦で札幌日大に3-1で勝利し、4年ぶりの頂点へ好発進した。雨が降る前に傘をさす――須江航監督は自身の選手起用を天気で例えることがあるが、この日も暗雲が立ちこめる前に手を打った。
早めの継投でピンチをしのぐ
先発の古川諒弥は「行けるところまでいく」と序盤から飛ばし、抜け球は多かったが要所で締めて無失点を継続。しかし六回の先頭から2者連続で出塁を許し、犠打で1死二、三塁を背負った。スコアは2-0。ここで須江監督は動き、被安打2と粘投していた古川に代えて、最速140キロ超の福井勇翔をマウンドに送り出した。
早めの継投にも映ったが、須江監督は「(福井の力は)古川と対等」ときっぱり。福井は満塁から死球を与えて1点を失ったが、「まだ勝っている」と引きずらず、最後は自信のある直球で空振り三振。ピンチを最少失点で切り抜けた。
3番手・梶井が九回まで無失点
さらに七回からは3番手・梶井湊斗にスイッチ。こちらも「スパッと代えた」と須江監督。背番号1を背負う右腕が九回まで無失点で締め、先手の継投策が実って逃げ切りに成功した。
仙台育英は宮城大会5試合のうち、4試合を継投で勝ち上がった。古川は「全国トップレベルの投手はいないが、各投手が自分の持ち味と役割を認識している」と語る。心地よい風が吹く夜の試合を終え、「体力はまだ十分ある。次戦も全然投げられる」と話す古川に、福井は「もっと投げたい」。4年ぶりの頂点へ、余力を残して好発進した。
田山が大会第1号本塁打
仙台育英の田山纏が大会第1号となる本塁打を右翼席中段に運んだ。四回1死で左打席に入ると大きく口を開けて叫んだ。野球をやっていた三つ年上の姉が打席で雄たけびを上げるのを見て「そういうものだと思い込んで」保育園時代に始めた習慣だ。3球目の変化球を捉えると、拳を握ってまたほえた。「打った瞬間に確信できた。気持ちよかった」



