第108回全国高校野球選手権大会は5日、1回戦が行われ、札幌日大は仙台育英に1-3で敗れた。ベンチ入りできなかった新保将理選手(3年)は、スタンドから声援を送り、敗戦後は「悔しいけど、サポートはできた。悔いはない。野球ってやっぱり楽しいな」とうなずいた。
料理と同じように仲間を支える
新保選手にとって、グラウンドは台所のように見える。練習前に必要な道具を先読みしてそろえ、片付けにもまごころを込める。大きな道具かばんは、175センチ、93キロの体をゆすりながら両手で運ぶ。仲間のサポートは、大好きなクッキングと同じだという。
小学生の頃、パン屋で働く母が夜勤で夕食を作れないことがあり、「自分が作ろう」と左手で包丁を握った。スマホの動画で学び、こだわりの唐揚げは低温で揚げた後、高温でジューシーに仕上げる。寮でも振る舞い、みんなの喜ぶ顔を見るのがうれしいという。
調理師の道と甲子園の狭間で
中学卒業後は調理師の道に進むか悩んだが、両親が「自分の好きなことをやったらいい」と言ってくれた。甲子園へのあこがれが勝った。
左腕から110キロ台と130キロ台の直球を投げ分け、唐揚げと同じように二段構えで打者を惑わせた。昨秋の大会ではマウンドにも立ったが、冬に肩やひじを痛め、最後の夏はベンチに入れなかった。
「誰かのために動くことが好き」
「誰かのために動くことが好き」と料理が教えてくれた。だから、わだかまりもなくサポート役に回れ、主力に野球へ集中してほしいと心から思えた。
今後は調理師を目指して専門学校へ進む。「裏方で培った丁寧さや気遣いが生きるはず」と話す。最近、北海道で鹿の肉を食べ、うまみに感動した。ジビエを扱うフランス料理も学び、ミシュランの星を夢見ている。



