元ヤクルト監督で、現在はゴールドジム女子硬式野球部の監督を務める小川淳司氏(68)が、高校野球におけるバットの変遷とその影響について語った。金属バットが高校野球に採用されたのは1974年春のこと。小川氏は73年に高校入学時は木製バットを使用しており、同年末に投手へ転向した。
金属バットへの戸惑いと危険性
投手として金属バットで打たれた打球について、小川氏は「打球の初速が速いので、向かってくるスピードはやっぱり意識しました。あと、やっぱり音っていうのは違いがすごくあったんですね。芯で捉えられていなくても高い音が響いて、音と打球のギャップへの戸惑いというのは感じましたね」と振り返る。
導入から半世紀が経過した2024年春からは、低反発バットが本格導入された。金属バットは長持ちするため経済的負担は減るが、特に投手にとっては危険だと指摘。現在の高校生はトレーニングが進化し「体の作りは昔と雲泥の差があります。出力が非常に高くなり、打球スピードは比べものにならないです」と述べる。
低反発バット導入の総合評価
低反発バットに対し、選手からは飛距離が出なくなったとの不満も予想されるが、小川氏は「総合的に考えたらよかったのではないかと感じていますね」と評価する。自身は高校3年時に夏の甲子園で全国制覇を果たした後、大学で野手に再転向しており、打者の気持ちも理解しているという。
「個人によって(バットの)違いをすごく大きく感じる人もゼロではないと思います。そこは順応していかないといけないというのはあります。木製から金属になっても、高校野球の守備位置はあまり変わらなかったんですよね。(打球の)飛距離に関して、そんなに神経質にならなくてもいいんじゃないかと思います」と語った。
低反発バットは、鋭い打球によるけがの危険性を考慮し、2024年春の選抜大会から使用が義務化。従来より細く金属部分の厚みを増したことで、打球の初速が約3.6%低下したとされる。同大会の本塁打数は金属バット導入後最少の3本にとどまった。



