智弁和歌山が優勝、第108回夏の甲子園閉幕 DH制や新ルール導入で変革の大会に
智弁和歌山が優勝、夏の甲子園閉幕 DH制など新ルール導入

第108回全国高校野球選手権大会は22日、甲子園球場で決勝が行われ、智弁和歌山の優勝で幕を閉じた。今春の選抜で指名打者(DH)制が導入され、初めて迎えた夏の選手権。戦略の幅がより広がり、新たな潮流も見えた。

DH制の活用が広がる

初戦では49校中40校がDHを取り入れ、うち6割弱が1~5番に据えた。9番に起用したチームはなく、6番以降が約7割を占めた選抜と比べ、積極的に活用する出場校が増えた印象だ。

例えば、強打者でもあるエース平田をDHで2番に置いた大分商。プロも注目する右投手は、味方の守備の間に投球練習を行い、三回から救援に回った。5校が取り入れたこの戦略は、打力のある投手をうまく生かす試みだろう。

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得点減少と本塁打減

総得点は前年の341点(47試合)から315点(48試合)に減った。DHで攻撃時の負担が減った投手の好投が、投手の代わりに好打者を並べられる利点を上回ったとも考えられる。低反発バットの影響も残るのだろう。本塁打はわずか8本。31試合で9本だった今春の選抜を下回った。

U―18(18歳以下)日本代表の岡田龍生監督(兵庫・東洋大姫路監督)は「低反発バットへの対応で低い打球を打たせる指導になり、本塁打を狙う角度でスイングする打者が減ったからではないか」と分析した。

新たな試みと課題

新たな扉が開いた大会でもあった。初めて導入されたビデオ検証は17回実施され、うち6回で判定が覆った。審判への遠慮を口にした指導者もいたのは、高校野球独特の文化だろうか。タイミングが遅れて要求が認められなかった事例もあった。効果的に活用できる環境やルールの整備ができるといい。

また、甲子園大会で初めて審判を務めた5人の女性が歴史を刻んだ。ただ、判定を自ら変更したケースもあり、SNSでは性差別的な批判も目についた。世間の色眼鏡を外すためには、活躍の場や機会を広げていくしかない。

甲子園史上最速となる156キロを連発した横浜のエース織田の投球には、今後の成長に夢が膨らんだ。直前に地震があった故郷への思いを胸に初出場ながら8強入りした有明ナインの戦いぶり、八回の逆転劇で試合が決まった決勝戦。心が震えるシーンが数え切れないほどあった。変革期にあって7回制導入も議論されている中、高校野球が持つ普遍的な魅力は守られていくことを願う。

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