有明、甲子園初勝利 九回逆転で被災地勇気づける
有明、甲子園初勝利 九回逆転で被災地勇気づける

第108回全国高校野球選手権大会(甲子園球場)第3日の7日、春夏通じて初出場の有明(熊本)が、立命館宇治(京都)との初戦に6―3で逆転勝ちした。土壇場の九回に試合をひっくり返す不屈の闘志で、地震の被災地を勇気づける甲子園初白星となった。

九回に逆転、甲子園初勝利

3点を追う七回、2点を返して追い上げ開始。なおも二死一塁で、盗塁のアウト判定を巡って、甲子園大会では初となるビデオ検証を要求したが、判定は覆らなかった。ただ、1点を追う九回、永田晴輝選手(3年)が3点二塁打を放って逆転した。

被災地への思い

地震発生時、有明ナインは震度4を記録した熊本県荒尾市のグラウンドで自主練習中だった。大きな揺れは感じなかったが、時間の経過とともに、被害の大きさが明らかになった。

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実田聡志主将(3年)は同県中部の西原村出身。部員から「西原は大丈夫?」と聞かれて薄れていた記憶がよみがえった。小学2年だった2016年の熊本地震で自宅が半壊。車中泊や避難所生活を経験し、約3年後に建て直すまで仮設住宅で生活した。「当時のことは、ほとんど覚えていないけど、とにかく大変だった」と振り返る。

「元気を与えられるのは自分たちだけ」

10年前の経験があるから、「今、元気を与えられるのは自分たちだけ」と初戦に臨んだ。攻守でチームを引っ張り、「地元や球場全体の応援が力になった。次も勝って熊本の皆さんに良い景色を見せたい」と力を込めた。

2安打5打点と活躍した永田選手も「たくさんの被災者がいる。勇気を与えられるよう、ここから波に乗って2勝、3勝とできるように頑張りたい」と前を向いた。高見一茂監督は「小さい力だけど、一生懸命やることが見ている人たちの力になるはず」と語った。

スタンドの声援

アルプス席では、熊本から駆けつけた保護者や生徒らが声援を送った。勝利を見届け、涙を流して抱き合う姿もあった。

実田主将の父・昭宣さん(49)は「苦しい展開で、よく勝ってくれた」とねぎらい、熊本市に住むOBの浜崎裕太さん(38)は「最後まで諦めずに戦う姿に胸が熱くなった。被災地の力になるはずだ」と仲間と喜びを分かち合った。

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