国際オリンピック委員会(IOC)は2030年にフランス・アルプスで開催される冬季五輪において、ノルディックスキー複合を実施しないことを決定した。この決定を受け、長野県内の関係者から8日、落胆と疑問の声が相次いで上がった。
渡部暁斗氏「悲しさと悔しさ、行き場のない怒り」
ノルディック複合で計4つの五輪メダルを獲得した白馬村出身の渡部暁斗さん(38歳、北野建設)は、「悲しさと悔しさ、行き場のない怒りがわき上がっている」と語気を強めた。IOCが除外の理由として挙げた強豪国の偏りについては、「他にも当てはまる冬季競技が多いと思う。なぜ複合だけなのかという疑問が消えない」と述べ、納得できない様子を見せた。また、2034年大会での復活の可能性が示唆されたことについては、「注目度や支援も少なくなり、厳しい道になると思う」と厳しい見通しを示した。
山本涼太選手「当たり前にある場所がなくなった」
今年2月のミラノ・コルティナ大会にノルディック複合で出場した木島平村出身の山本涼太選手(29歳、長野日野自動車)も、「僕にとって、当たり前にある場所がなくなった感覚。機会が断たれて非常に残念だ」と語った。山本選手は五輪の舞台を「最も価値のあるもので、競技の全て」と表現し、今後の競技生活については「正直今は何も考えられない。競技自体がなくなるという不安が心のどこかに出てきている」と肩を落とした。
荻原健司市長「切ない気持ち」も復活へ期待
同種目で2大会連続の金メダルを獲得した長野市の荻原健司市長(56歳)は、8日の定例記者会見で「自分を鍛えてくれた舞台が除外され、切ない気持ちだ」と語った。一方で、2034年大会に向けては「(復活の)可能性があるとみんなで信じながら取り組んでいくことが重要だ」と力を込め、今後の活動に意欲を示した。
IOCの決定により、ノルディック複合は2030年大会で実施されないことが確定したが、関係者からは疑問や落胆の声が続いており、今後の競技存続に向けた課題が浮き彫りとなっている。



