亡き妻とつながる黒電話「風の電話」、兵庫・相生市に設置 93歳男性の願い
亡き妻とつながる黒電話「風の電話」、兵庫・相生市に設置

兵庫県相生市の住宅の脇に、亡き人に思いを伝える「風の電話」が設置され、訪れる人々の心の支えとなっている。設置したのは、今年2月に妻を亡くした三木豊さん(93)。「同じ喪失感に苦しむ人が少しでも楽になれたら」と願い、自ら電話ボックスを製作した。

70年連れ添った妻への思い

三木さんの妻・光子さんは2月、91歳で老衰のため亡くなった。二人は一緒に趣味のコーラスを楽しむなど、約70年にわたり連れ添った。三木さんの落胆は大きく、遺影に語りかけては涙を流す日々が続いたという。そんな時、テレビ番組で「風の電話」を知り、「たくさんのつらい別れがある。この電話があれば、多くの苦しむ人の役に立つかもしれない」と設置を決意した。

ダイヤル式黒電話にこだわり

三木さんはすぐに大工を探し、電話ボックスの製作を発注。「何だか、つながっている気がしそう」との思いから、ダイヤル式黒電話にこだわり、めいっ子にネットショップで注文を依頼した。思いついてから約3か月後、自宅駐車場の横に完成した。電話ボックスは木製で幅約1.2メートル、高さ約2メートル。ゆっくり話せるように椅子も備え、道路に向けて「かぜのでんわ」と看板が掲げられ、入口には「ご自由にお使いください」と貼り紙がある。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

妻の言葉が心に響く

三木さん自身も受話器を握り、光子さんに語りかけてみた。「これからも話をしようね」と言うと、光子さんが「また好きなことをやっているね」と笑った気がしたという。その言葉は耳を通して心に響き、電話ボックスができたことを喜んでくれているようでうれしかったと語る。

広がる反響と静かな見守り

電話ボックスの存在を知り、淡路島や芦屋市に住む人からも問い合わせがあった。三木さんは「声もかけず、勝手に使ってもらっていい。こちらから話しかけることもありません」と話し、訪れた人を静かに見守っている。問い合わせは三木さん(0791-22-2921)まで。

「風の電話」の起源

「風の電話」は、岩手県大槌町に2010年に設置されたのが始まりとされる。風に乗せて思いを伝えることで、大切な人を失った悲しみを和らげてほしいと名付けられた。東日本大震災後、遺族らが多く訪れ、絵本や映画の題材にもなった。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ