ネパールと中国の国境地帯を襲った土石流は、発生から1週間が経過し、両国での犠牲者は1000人を超えた。ネパール当局によると、ネパール側の死者数は1日時点で987人。中国側では8月29日時点で16人の死亡が判明しており、両国で計1003人となった。また、両国を合わせた行方不明者は、観光目的で現地を訪れていた日本人5人を含めて計4462人となった。
遺体の身元確認が難航
ネパール側では、遺体の身元確認の難しさが課題になっている。ネパールでは本来は火葬が一般的だが、政府は遺体を一時的に土葬し、身元が判明した段階で掘り起こす方針を決め、作業を始めた。
これまでに収容された遺体の大半は損傷が激しい。外見をもとに確認するのが難しく、身元が特定できた遺体はごく一部にとどまる。遺体を保存するための冷蔵設備が足りないことも障害になっている。
DNAサンプル採取と一時土葬
そこで政府は遺体からDNAサンプルを採取し、写真などでも記録した上で、一時的に土葬することにした。警察は行方不明者の近親者にサンプル提供を呼びかけている。DNA型検査で確認できた場合、遺体を家族に引き渡す。
カナル外相は8月29日の会見で「遺体は長時間水中にあったため、急速に腐敗する恐れがある。ネパールには、多数の遺体を低温で長期間保存する能力が十分にない」と説明し、外国政府や国際機関に冷蔵設備の提供を求めていると明らかにした。
冷蔵設備の不足
保健・人口省によると、冷蔵設備の不足は深刻で、遺体の保存が困難な状況が続いている。政府は国際社会からの支援を仰ぎながら、作業を進める方針だ。



