熊本地震は28日に発生から1カ月を迎えた。この間、観測データの分析や現地調査が積極的に行われ、地震を引き起こした活断層帯の特徴や被害の背景、10年前の熊本地震との関わりなどが見えてきた。活断層は全国各地に存在しており、熊本での教訓を自らの防災に生かす必要がある。
日奈久断層帯、南北で異なる力
マグニチュード(M)7・1を記録した今回の熊本地震は、日奈久断層帯の一部がずれ動いて発生した。政府の地震調査委員会は、同断層帯を3つの区間に分けており、今回は主な震源断層が日奈久区間の北東部と高野―白旗区間の一部に及んだと評価している。
被災地で地表に露出した地震断層を調査した東北大の遠田晋次教授(地震地質学)は、今回の地震の主要な破壊域は日奈久区間の北部と指摘する。一方、日奈久区間の南部は一部で断層がずれ動いた可能性はあるが、大きく破壊されていないとしている。
八代海側では正断層型も
今回の地震は「右横ずれ断層型」という、断層が水平にずれ動くタイプだったとされる。九州大の松本聡教授(地震学)によると、日奈久断層帯は、地下での力のかかり方が南北で一様ではない。北側は横ずれ型の地震が起こりやすい一方、南下するにつれて力のかかり方が変わり、八代海側では横ずれ型だけでなく、正断層型の地震も起こり得る。
力のかかり方の違いは、今回の地震で断層破壊の広がり方などに影響した可能性はあるが、その影響を見極めるには今後の地震活動の推移や断層の詳しい形などの解析が必要だという。
今後の地震活動を注視
遠田教授によると、平成28年に熊本地震が起きた後、今回の震源域付近では、断層にかかる力がすべりやすくなる方向に変化していた。さらに今回の地震を受け、日奈久区間の南部や八代海区間では、地震活動を促す方向に、この力が変化したとみられる。
地震の発生時期や規模を特定して予測できるものではないが、今後の地震活動を注意深く見守る必要がある。



