山梨県笛吹市で25日、大気の状態が不安定となり突風が発生。ブドウ棚が飛ばされた物置で押しつぶされる被害が出た。気象庁は同日午後6時過ぎ、同市に「レベル4土砂災害危険警報」を発表した。
初のレベル4警報
気象庁によると、5月末に5段階の防災気象情報の運用が始まって以降、県内でレベル4の警報が出されたのは初めて。甲府地方気象台は26日、現地に調査班を派遣し、被害状況を確認した。
突風と大雨の被害
突風が起きたのはブドウ畑が広がる同市一宮町地区。けが人は確認されていないが、複数の畑でブドウの落果が確認された。高さ2メートルほどの物置が20メートル近く吹き飛ばされ、ブドウ棚を直撃した。
県内で初めて「酷暑日」を記録した25日は暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定となった。積乱雲が発生し、同市付近では午後6時前に1時間に約110ミリの猛烈な雨も降った。
ダウンバーストの可能性
同気象台は26日、気象庁機動調査班を現地に派遣。調査の結果、積乱雲から強い下降気流が吹き付ける「ダウンバースト」が起きた可能性があるとしたが、原因の特定には至らなかった。
農家の悲痛な声
被害を受けた農家らは朝から対応に追われた。畑に飛んできた物置でブドウ棚が崩れ落ち、多くの巨峰が被害に遭った女性(73)は、厳しい暑さの中、娘や孫と地面に落ちた巨峰の回収作業にあたった。
女性は夫と2人で20年ほど前にこの場所でブドウ栽培を始め、夫が亡くなった後も一人で畑を守ってきた。今季も昨年12月頃から剪定作業などを欠かさず、あと数週間で収穫を迎えられるはずだったという。
畑全体の約3分の1ほどの範囲で被害が確認されており、女性は「こんな経験は初めて。自然災害なので仕方ないかもしれないが、収穫を楽しみにしていただけにショックだ」と話していた。



