大阪地裁は1日、水俣病患者としての認定申請を棄却したのは不当だとして、大阪市の男性(74)が患者認定を熊本県に義務づけるよう求めた訴訟で、男性を水俣病と認め、県による棄却処分を取り消す判決を言い渡した。
判決の内容
徳地淳裁判長は、原告の男性が熊本県水俣市と不知火海を挟んで対岸の熊本県天草市出身で、生まれたときから原因企業のチッソが排水を止める1968年ごろまで、天草で魚介類を中心とした食生活をしていたとして、水俣病を発症するのに十分なだけのメチル水銀に汚染されていると認定した。
その上で、手足の感覚障害や視野狭窄、構音障害といった男性の症状は「水俣病の発症時期に関する知見と矛盾しない」と指摘し、他の疾患が原因だとする県の主張を退けた。
弁護団の訴え
男性は10代半ばで大阪に移り住んでいた。判決後、弁護団は「埋もれた患者がまだいる」と述べた。
この判決は、水俣病をめぐる長い闘いの中で、被害の掘り起こしにつながる可能性がある。