東京・池袋の東京芸術劇場を中心に、舞台芸術祭「秋の隕石」が10月9日から11月3日まで開催される。国内外の演劇やダンスなど13演目が上演されるほか、レクチャーやワークショップも行われる。
「隕石」に込められた意味
アーティスティック・ディレクターは昨年に続き、演劇作家・小説家でチェルフィッチュ主宰の岡田利規氏が務める。岡田氏は今年、同劇場の舞台芸術部門の芸術監督に就任した。「隕石」には、地域や文化、価値観の外からやってくるものという意味が込められている。岡田氏は「わたしたちには、隕石との邂逅に触発されて変容するポテンシャルが具わっている」と説明する。
国内外から集まった13演目
岡田氏が「とても自信がある」と語るラインアップには、捩子ぴじん+YCAM(山口情報芸術センター)によるAIロボットの「せんせい」の授業を受ける参加型パフォーマンス「せいせいのせんせい」や、「労働」をテーマにしたメキシコのアナカルシス・ラモス/ポルノトラフィコによる「オカンとカネ」など、国内外の作品が並ぶ。
岡田氏自身は、音楽部門の芸術監督・山田和樹氏と1日限りの無料パフォーマンス「静寂のガツンとした一撃」を予定している。
江本純子の新作への挑戦
今回、129作の応募の中から岡田氏らが採択した企画が二つある。その一つが、2025年初演の「真夜中に寂しくなったときに観たい演劇」。レズビアンを自認する江本純子氏が、作・演出・出演を1人で担い、世のレズビアンに向けて作りあげた物語だ。
登場人物たちはユーモアを交えた口調で、それぞれの抱える「欲望」を何にも阻まれることなく表現する。江本氏は「『レズビアン以外の人たち』を置き去りにするくらいの挑戦をしたい」と意気込む。
1990年代後半に10代後半~20代の多感な時期を過ごした江本氏。友人にも家族にも「女性が好き」と言えず、時折自らを癒やしてくれるのは小説や映画などで描かれる「レズビアン表象」だった。「求めていたのは、共感の先…」