東京ガス社員の自殺を労災と認定 東京地裁が処分取り消し判決
2018年に東京ガスの男性社員(当時24歳)が自殺したのは、上司とのトラブルや異動を契機に発症したうつ病が原因であるとして、両親が国を相手に提訴していた訴訟で、東京地裁(小原一人裁判長)は4月13日、労災と認め、三田労働基準監督署の不認定処分を取り消す判決を言い渡しました。
東大卒2年目の社員が遺書に「毎日怒られてばかり」
判決によりますと、男性は東京大学を卒業後の2017年に東京ガスに入社しました。研修などを経て2018年4月、子会社に出向し、予算編成などを担当する部署に配属されました。しかし、同年8月に「職場になじめず、毎日怒られてばかり」「もう限界」などと記した遺書を残して自殺しました。
両親は三田労働基準監督署に労災申請を行いましたが、「業務が原因とは言えない」として認められず、2024年に提訴に至りました。
判決が指摘した職場環境の問題点
判決は、入社2年目だった男性の経験と業務内容に大きなギャップがあったことを認めました。その上で、上司らが常に席を外すなど、職場の支援体制が限定的だったと指摘しています。
さらに、上司が「いつまでもお客様じゃどうかな」と発言したり、きつい口調で指導したりした事実も踏まえ、「男性の疎外感や無力感が増大した」と認定しました。
「業務に内在する危険が現実化」と因果関係を認定
判決は、男性の自殺について「業務に内在する危険が現実化したものだ」として、業務との因果関係を明確に認定しました。これにより、労働基準監督署の処分は違法であると結論付け、処分の取り消しを命じました。
東京ガス側は「社員が亡くなった事案を重く受け止めている」とのコメントを発表しています。この判決は、若手社員のメンタルヘルスと職場環境の在り方に大きな課題を投げかけるものとなりました。



