熊本県内で外国人労働者の増加に伴い、労働災害(労災)事故が増加している。熊本労働局の分析によると、事故は労働者の経験が浅い時期に集中しており、雇い入れ時の安全衛生教育が十分に実施されていない可能性が高いという。
外国人労働者数は過去最多、労災負傷者も増加
熊本労働局の発表によると、2025年10月末時点の県内外国人労働者数は2万4076人で、過去最多を記録した。これに伴い、2025年中に4日以上の休業を要した労災負傷者数は60人に上り、前年から11人増加した。
業種別では、製造業が22人で最多、次いで建設業17人、農林業8人と続く。これらの業種は外国人労働者の雇用が多く、危険作業も含まれることから、特に注意が必要とされる。
経験年数が浅い労働者に事故集中
熊本労働局のデータによると、労災事故全体の77%は職業経験期間が「3年未満」の労働者に発生しており、44%は「1年未満」の労働者に集中している。このことから、労働局は「雇い入れ時の安全衛生教育が不十分なまま作業に就いているケースが多い」と分析している。
熊本労働局の担当者は「安全教育は雇用先の裁量に任されている部分が多い。引き続き、各事業場への周知、徹底を行っていきたい」と述べている。
課題と今後の対策
外国人労働者に対する安全衛生教育は、言語の壁や文化の違いもあり、十分に浸透していない現状がある。熊本労働局は、事業所に対して雇い入れ時の教育を徹底するよう指導を強化するとともに、多言語対応の教材の活用や、通訳を交えた研修の実施を推奨している。
また、労働者側にも自身の権利と安全確保のための知識を身につけることが求められる。県内の外国人労働者コミュニティでは、情報共有の重要性が指摘されている。



