副業の家賃やセミナー代は経費にできる?プロが教える意外な経費5選【前編】
副業の家賃やセミナー代は経費に?プロが教える意外な経費5選

副業をしている人なら、仕事で使うパソコンや事務用品など、経費にできるものはある程度知っているだろう。ところが、「これは経費にはならない」と思っている支出の中にも、条件次第で経費として認められるものがある。

ビジネススクールや財務戦略セミナーで講師を務める桜井潤一さん(株式会社ユニバーサルバンク代表取締役)に、経費の考え方と合わせて、意外と知られていない「副業の経費」を5つ解説してもらった。前編では、基本と経費2選を紹介する。

副業で知っておきたい「経費」の基本

副業をしている方からは、「どこまでが経費として認められるの?」といった相談をよく受けるという。意外な経費をご紹介する前に、まずは「なぜ経費を正しく把握する必要があるのか」、基本をおさらいしておこう。

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副業で税金がかかるのは、売上(収入)そのものではなく「所得」です。所得は「収入−経費」で計算されるため、経費を正しく理解し、適切に管理することが、税負担を抑え、利益を残すための第一歩になります。

桜井さんは24年間、銀行員として1000社を超える企業の融資審査や財務支援に携わってきた。数多くの決算書を見てきた中で感じるのは、利益を残し続ける経営者ほど、「必要な経費を正しく使う」という意識が徹底していることだという。副業でも同じで、経費を正しく理解し、お金の流れを把握することが、将来的な利益や資金の残し方に大きな差を生むと話す。

知らないと損する副業の経費1「家賃や住宅ローンの一部」

「家で仕事をしているだけなのに、家賃まで経費になるのですか?」――これは副業の経費相談で多い質問の一つだ。ライターや動画編集者、Web制作、SNS運用など、自宅で仕事をする副業であれば、仕事部屋や作業スペースとして利用している割合に応じて、家賃の一部を経費にできる場合がある。これを「家事按分(かじあんぶん)」と呼ぶ。

持ち家の場合は、住宅ローンそのものではなく、建物の減価償却費や固定資産税、ローンの利息、火災保険料などの一部が対象になるケースがある。割合の決め方に厳密なルールはないが、部屋の広さや使っている時間をもとに算出するのが一般的だ。リビングで作業しているなど生活との境目が曖昧な場合は、割合を低めに見積もっておくと安心とされる。

ただし、自宅で仕事をしているからといって、自由に割合を決めて経費にできるわけではない。仕事で使っている割合を、部屋の広さや使用時間などから合理的に説明できることが前提となる。

知らないと損する副業の経費2「セミナー・オンライン講座代」

副業に必要な知識を身につけるためのセミナーやオンライン講座、専門書なども、仕事内容との関連性があれば経費になる可能性がある。たとえば、Webライターが文章術やSEOを学ぶ講座を受講したり、動画編集者が編集技術を学ぶセミナーに参加したりするケースだ。

セミナーや講座の受講料だけでなく、副業に必要な専門書の購入費や、セミナー会場までの交通費なども、条件を満たせば経費の対象になる場合がある。一方で、「将来、副業に役立ちそう」というだけでは経費にできるとは限らない。現在行っている副業の業務に必要な知識やスキルを得るための支出であることがポイントだ。趣味や一般的な自己啓発を目的とした講座など、副業との関連性が薄いものは経費にするのが難しくなる。

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経費として計上するなら、「その支出が副業の収入を得るために必要だった」と合理的に説明できるようにしておくことが大切だ。領収書だけでなく、受講した講座の内容や購入した専門書、セミナーの開催概要なども残しておけば、なぜ副業に必要だったのかを説明する際の根拠になる。

「経費になる・ならない」の判断基準とは?

経費の判断基準となるのは、「その支出が事業に必要だったかどうか」と桜井さんは話す。「経費になるか」だけで判断するのではなく、「事業に必要な支出だったと合理的に説明できるか」を意識しておくことが、経費を正しく計上するうえで重要という。後編では、より身近な「知らないと損する副業の経費」について解説する。