『ハルバーシュタットの埋蔵金』東ドイツ紙幣コラージュのタイトルデザイン公開
『ハルバーシュタットの埋蔵金』東ドイツ紙幣のタイトルデザイン公開

1989年の「ベルリンの壁」崩壊後、東西再統一を目前に控えた旧東ドイツで実際に起きた紙幣大量盗難事件を基にしたヒューマン・コメディ『ハルバーシュタットの埋蔵金』(2026年9月4日公開、配給:インターフィルム)の、東ドイツ紙幣を使ったタイトル・デザインが公開された。

東ドイツ紙幣をコラージュしたタイトルデザイン

1990年7月1日の東西ドイツ通貨統合により、東ドイツマルク紙幣はその役割を終え、ハルバーシュタット郊外の地下坑道に大量廃棄された。本作のオープニングのタイトル・デザインには、現在は紙幣コレクターの間でしか流通していない東ドイツマルク札の図案がさまざまにコラージュされている。紙幣の細部を万華鏡を通して見たような幾何学模様がカラフルに回転するタイトル・バックに流れるのは、カナダのブルーグラス/フォークロック・バンド、デッド・サウスの代表曲「In hell I'll be in good company」(地獄に墜ちても退屈はしないさ、の意)。ネイト・ヒルトンのしゃがれ声のヴォーカル、哀愁の口笛と軽快なバンジョーの音色、チェロを叩く打楽器的なリズムが心地よい名曲だ。

画面上では、キャスト/スタッフの人名クレジットを彩るように、東ドイツの10/20/50/100/200/500マルク紙幣が万華鏡のようにコラージュされ、さらに紙幣に印刷されていたトーマス・ミュンツァー、アレクサンダー・フォン・フンボルト、フリードリヒ・フォン・シラー、フリードリヒ・エンゲルス、カール・マルクスの肖像画の図案が、CGI加工によって立体的にコラージュされていく。デザインは、フィルムグラフィック社のオリー・ペータースとスヴェン・ツューゲが担当。ツューゲはハリウッド大作『インクレディブル・ハルク』と『スピード・レーサー』(共に2008)のタイトル制作にも参加している。

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紙幣の詳細と換算レート

当時の為替レート(1西ドイツマルク=約90円)で試算すると、2対1で換算された場合(本作原題の「ZWEI ZU EINS」は2対1の意)、100東ドイツマルクは約4,500円に相当した。また、200マルクと500マルク紙幣は、当時実際に印刷されたものの、前記の通貨統合にともない国内流通がなかった。

公開記念トークイベントも決定

あわせて、公式サイトでは各界著名人から寄せられたコメントが公開されている。また、コメントを寄せているドイツ出身の翻訳家・通訳・文筆業のマライ・メントラインと、東ドイツ滞在経験者であり本作の字幕監修を務めた吉川美奈子が登壇する公開記念トークイベントも決定した。会場は新宿ピカデリーで、9月5日11:30の回上映終了後に実施される。鑑賞料金は通常料金で、ムビチケおよび各種割引利用は可だが、無料招待券は不可となっている。

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本作のストーリーは、「ベルリンの壁」崩壊から8か月後の1990年7月、東ドイツの田舎町・ハルバーシュタット。失業中の夫婦ローベルト(マックス・リーメルト)とマーレン(ザンドラ・ヒュラー)、彼らの幼なじみフォルカー(ロナルト・ツェアフェルト)の3人は、軍の地下坑道に忍び込み、秘かに廃棄された数百万マルクもの東ドイツ紙幣を発見、大量の札束を持ち帰った。彼らは近隣住民たちを巻き込み、持ち帰った札束で西側からやって来るセールスマンたちから家電、食品、生活用品を山ほど買っては西側で転売し、西ドイツマルク札に替えていく。思いがけない好景気に田舎町はお祭り騒ぎに沸くが……。監督は、ドイツ映画史上屈指の問題作『クリスチーネ・F』(1981)に主演し、後に脚本家/監督に転身したナーチャ・ブルンクホルスト。主演のザンドラ・ヒュラーは、『落下の解剖学』(2023)でアカデミー賞・主演女優賞候補となり、カンヌ映画祭グランプリ『関心領域』(2023)をはじめ各国の秀作・話題作に連続出演。今年2月のベルリン映画祭では『ROSE(原題)』で銀熊賞(主演賞)を受賞、3月にはSF大作『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が世界中で大ヒット、5月のカンヌ映画祭では主演作『Fatherland(原題)』が監督賞を受賞、9月の本作日本公開を挟み、10月にはトム・クルーズと共演した最新作『DIGGER/ディガー』が公開予定と、2026年はザンドラYearとなっている。