東京大学経済学部の学生である下村英理氏が、旅行先のスーパーを活用した子ども向け学習法を提案している。その要点は、商品の産地や歴史的背景を調べることで、地理や歴史への興味を自然に引き出せるというものだ。
沖縄の牛乳パックが946mlの理由
下村氏はまず、沖縄県で販売されている牛乳パックの容量が本州の1000mlではなく946mlである点に着目。これは米軍占領時代に液量をガロンで計算していたことに由来し、1/4米液量ガロンが約946mlに相当するためだという。この違いは、牛乳のパック販売が戦後(1950年代ごろ)に始まった時期と、占領下で設備が導入された歴史が重なった結果生まれた。もし戦前から牛乳パックが存在していたら、この違いは説明できなかっただろう。
また、牛乳の産地にも注目。北海道が国内生産の半数以上を占める一方、沖縄は亜熱帯気候で乳牛の飼育が難しいが、輸送コストを抑えるため県内生産が行われており、スーパーでは沖縄県産の牛乳が並んでいる。
三重で愛される「コシのないうどん」
郷土料理の例として、三重県の伊勢うどんが挙げられる。伊勢うどんはコシがないことで知られるが、そのルーツは伊勢神宮への参拝客に素早く提供するため、茹でっぱなしにしていたことに由来する。現地のスーパーでは袋麺タイプの伊勢うどんが多く販売され、普通のうどんが置いていない店もあるほどだ。
スーパーが学び舎に変わる
さらに、関東地方のスーパーでよく見かける「かんぴょう巻き」は、東京湾で海苔が生産されていたことが東京名物となった理由の一つ。浅草紙の製法を応用して海苔が作られた歴史がある。下村氏は「家族でスーパーに足を運び、商品の産地やルーツを確認するだけで、スーパーが学び舎に早変わりする」と述べ、このような考え方がテストや受験勉強にも効果的だと強調している。



