国公立離れで私大受験者が急増、26年度入試は「模試A判定でも不合格」の異常事態
国公立離れで私大受験者急増、26年度入試は異常事態

2026年度の大学入試が異常な様相を呈している。国公立大学から私立大学への志願者シフトが加速し、私大の一般選抜では定員厳格化の影響もあって、模試でA判定を獲得した受験生でも不合格となるケースが続出している。こうした事態を受け、文部科学省は全国公私立大学の学長宛てに異例の文書を発出し、入試実施要項の順守を改めて求めた。

国公立離れで私大志願者が急増

2026年5月27日、文部科学省はすべての国公私立大学の学長に対し、「大学入学者選抜実施要項」の順守を求める文書を通知した。この文書は「異例」とされ、その背景には現状の入試運営に「違反」があると指摘されている。具体的には、年内に学力試験を行う「年内学力入試」が問題視された。本来、実施要項では2月以前の学力テストは禁止されているが、25年度入試では東洋大学などがこれを実施。近畿圏では以前から年内学力入試が常態化していたこともあり、文科省は26年度入試に限り「小論文などを課す」ことを条件に容認した。しかし、小論文を課しながら無配点とする大学が現れ、全国高等学校長協会が問題視する事態となった。

文科省の文書では、現状の年内学力入試は「一般選抜の前倒し」であり、許されるものではないと断じている。同日通知された実施要項では、年内学力入試に加え、総合型選抜と公募型の学校推薦型選抜についても面接試験を必須化。導入済みの大学には猶予期間を与える緩和策も講じられたが、決着は不透明だ。

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「模試A判定でも不合格」の現実

首都圏の公立高等学校で進路指導を担当するベテラン教員は、「どの大学に出願しても合格できない。文字どおり『悲惨』な状況でした」と語る。この背景には、国公立大学離れと私大志願者の急増がある。26年度入試では、共通テストの平均点が低下したことも私大入試に異変をもたらした。志願者増に定員厳格化が加わり、私立大学の競争率は過去最高水準に達している。

アロー教育総合研究所の田嶋裕所長は、「6教科型の入試には約1万1千人が志願するなど、特定の選抜方式に志願が集中している。定員厳格化により、合格ラインが大幅に上昇し、模試の判定が当てにならない状況が生まれている」と分析する。実際、複数の予備校関係者によると、A判定でも不合格となるケースは26年度入試で顕著に増加したという。

文科省の対応と今後の展望

文科省の異例の通知は、年内学力入試の是正を求めるものだが、私立大学側の事情も複雑だ。年内入試は受験生の獲得競争激化の中で広がり、特に中堅私大では定員確保の手段として定着しつつある。一方、総合型選抜や学校推薦型選抜での面接必須化は、選抜の質を高める狙いがあるが、実施面での混乱も予想される。

26年度入試の異常事態は、少子化の中で進む大学間の格差を如実に示している。国公立離れは、共通テストの難化や私立大学の入試多様化が拍車をかけた結果だ。今後、文科省の指導が実効性を持つかどうかが、入試の公正さを保つ鍵となる。

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