大学入学共通テストが「しんどい」と感じる人は多いが、その難しさの本当の原因は、AIの登場にあると西岡壱誠氏は指摘する。同氏は、一般財団法人ドラゴン桜財団代表理事を務める。
10年前なら、歴史の年号を1000個覚えているだけで価値があった。しかしChatGPTのようなAIが普及したいま、年号はもちろん背景まで瞬時に得られる。暗記量で人間がAIに勝てる領域はほぼ残っていない。
大学入試は自然と、AIが苦手とする資料読解、文脈判断、問いを立てる力、複数情報の統合を測る方向に変わった。共通テストで読解力や情報処理力が重視されるようになったのも、私大で記述が増えたのも、同じ根っこにあると西岡氏は見る。
「センター試験に戻せ」という主張の背景
「センター試験に戻せ」という声には切なさがある。それは、AI登場前の世界に戻せと言っているに等しい。気持ちは理解できるが、大学が測る能力そのものが変わった以上、試験の見た目だけを戻しても、どこかで別の負荷が生じる。
実際、私大の二次試験では記述量が増え、面接や小論文の比重が上がり、総合型選抜が拡大している。これらはすべて、すでに起きている変化だ。



