「センター試験のままでよかったのに、共通テストなんてやめるべきだ」――大学入学共通テスト導入から数年が経過しても、この論調は根強い。X(旧Twitter)や教育系YouTubeのコメント欄で、毎年入試シーズンになると必ず見かける意見だ。
反対派の主張を要約すると、「センター試験は基礎学力を測るものだったのに、共通テストになったせいで基礎学力が測れなくなった」という形になる。書籍『地頭力の正体』の著者で、一般財団法人ドラゴン桜財団代表理事の西岡壱誠氏は、この意見を感情論として切って捨てるのは簡単だが、真剣に向き合う価値があると述べている。
共通テストになって何が変わったのか
西岡氏は、数字で見ても実感としても、「たしかにそういう面はある」と思わせる部分があると指摘する。その変化の一つが、平均点の目標設定だ。共通テストでは「平均点60点の試験」から「平均点50点を目指す試験」へと変わった。これは試験の性格そのものの変化を意味する。
しかし、この変化は共通テストだけの問題ではない。西岡氏は「『戻せ』という主張は、時計を戻せと言っているのに近い」と述べ、「『難しくなった』の正体は、たぶん時代の側にある」と指摘する。つまり、試験が難しくなったのではなく、受験生を取り巻く環境や求められる能力が時代とともに変化しているという見方だ。
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