「厳しくすればハラスメント、配慮すればぬるい」若手育成に悩むリーダーが怠るたった1つのこと
若手育成に悩むリーダーが怠るたった1つのこと

「厳しくすればハラスメントと言われ、配慮すればぬるいと言われる」――。現代の職場で若手社員を育成するリーダーたちは、このジレンマに頭を悩ませている。もちろんすべての若手がそうではないが、時代背景を考慮すれば、この複雑さも理解できる。さらに「静かな退職」を選ぶ社員の存在が、マネジメントを一層困難にしている。

「静かな退職」と多様な価値観

「静かな退職」とは、会社の仕事に自己成長や自己実現を求めず、人生の軸を職場以外に置く姿勢を指す。命じられた仕事をこなし、それに見合った給料を得られれば十分という価値観だ。積極的に選ぶ人もいれば、頑張りが評価されず自己防衛的に選ぶ人もいる。いずれにせよ、仕事をきちんとこなしているなら、第三者に否定する道理はない。生き方の問題である。

このような多様な価値観を理解すればするほど、上司の悩みは深まる。誰に、どのように接するべきか、明確な答えが見えにくいからだ。

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人材育成の本質は「言語化」

一般社団法人成長企業研究会理事で株式会社ワンストップHOP取締役の大神千穂氏は、人材育成の本質はシンプルだと指摘する。「あなたの頭の中にあることを、言葉にしてみる。それだけです」。難しい理論や研修マニュアルは必要なく、自分が持つ経験則や暗黙知を言語化することが重要だという。

「人が育つとはどういうことか、頭の中には感覚的にあるが、言語化する機会はなかなかない。しかし一度立ち止まってじっくりやってみると、それほど難しいことではない」と大神氏は語る。

言語化がもたらす効果

大神氏のクライアント企業の社長も最初は戸惑うが、やっていくうちにのめり込むという。社長自身にとって「自分が何をしたかったのか」「どうすれば会社が成長するのか」が明確になり、経営へのモチベーションが高まるからだ。また、自身の能力を客観的に再評価できることも言語化の効果。本人は何気なくやっていることが、周囲から見ると魔法のような暗黙知になっているケースが多い。

若手社員は、納得さえできればむしろハングリーに自己成長を求める。リーダーが暗黙知を言語化し、明確な基準を示すことで、育成の迷いが解消される可能性がある。

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