旧統一教会二世の浪人体験:東大合格までの苦闘と変容
旧統一教会二世の浪人体験:東大合格までの苦闘

浪人を決意した背景

小3の夏に教会のサマーキャンプに参加した宮下さんは、旧統一教会の二世として育った。東大を目指して現役不合格となり、浪人を決意。その理由について「東大に行けるならもう1年はやってもいいと思った」と振り返る。

「予備校に行っていいよとは親から言われていたんですが、ちょっと考えて自宅で浪人すると決めました。表向きは『自分でやったほうが効率がいい』と話していて、半分は本気でそう思っていたけれど、今振り返ると親に負担をかけたくないという気持ちが強くあったと思います」と宮下さんは語る。

自宅浪人の実態と精神的な葛藤

宮下さんは自宅浪人にあたり、1年の最初に計画を立て、1日10時間の勉強を想定した。しかし実際の平均勉強時間は5時間、多くても7時間だった。朝起きるのが遅くなり、昼食後はのんびりし、夜はテレビを見る日々で、自己管理の難しさを痛感した。

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精神面でも苦しい日々が続いた。4月下旬、高校の友人たちと久しぶりに会うと、ほぼ全員が大学生活を送っていた。サークルやバイトの話が飛び交う中で、自分だけが別の世界にいるような疎外感を覚えたという。

「宅浪で人と会う機会が極端に少ない分、ひとたび誰かと会って『役に立てた』『認めてもらえた』と感じたその翌日には、反動でひどく自分を責めてしまうというサイクルにも陥っていました。人に認めてもらえるのを普段はあまり感じられないので、『役に立てていない自分』に対してすごく落ち込んでしまって、勉強が手につかなくなることがありました」

成績の伸びと受験での大失態

それでも成績は着実に伸び、夏には東大模試でA判定を取り、成績優秀者として名前が載るようになった。宮下さんの中でも「今年は必ず通るだろう」という手応えがあった。しかし、その年の受験で大失態を犯す。

「センター試験が前年より大幅に難化した年で、数学の試験中、最も得意な関数の大問で詰まってしまいました。僕はすべて大問を解いてから一気に大問分の問題を全部マークをするやり方なのですが、試験終了10秒前に図形の大問のマークが全部できていないことに気づきました。そこで焦りに焦って、何もマークできずに30点を失いました。精神が崩壊して、その場で失禁してしまいました」

センター試験のパーセンテージは83%止まり。自分は「神様の子ども」と教えられてきた言葉をその瞬間だけ心の中で持ち出し、なんとか2次試験へ向かった。しかし、数学で「解けると思った問題が1問もなかった」という最悪の手応えで、得点は20/120点に終わった。

結局東大の理科1類は合格最低点から30〜40点足りず、2度目の不合格となった。併願校の慶應義塾大学理工学部には合格したものの、後期試験で受けた東京工業大学にも不合格となった。

桜の下で泣いた日を越えて

浪人生活の苦しさを乗り越え、宮下さんは後に東大に進学。旧統一教会二世としての生い立ちや浪人経験が人生を「劇的に」変えたと語る。「ただ可哀想な存在と捉えられるのは複雑」としながらも、自身の経験を率直に伝えている。

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