中学受験の過去問は「小6の秋まで手をつけてはいけない」という通説がある。しかし、過去問出版社・声の教育社の代表を務める後藤和浩氏は、この常識に異を唱える。後藤氏は著書『親の「しんどい」が「大丈夫」に変わる 中学受験の味方』(プレジデント社)の中で、「小4から過去問を見始めて出題傾向を分析するほうが、得点力向上につながる」と断言している。
過去問を「不可侵領域」扱いする保護者の誤解
後藤氏は、中学受験イベントでよく見かける光景を挙げる。各中学校の過去問を子どもがめくろうとすると、親が「ダメ!」と厳しく制するという。その理由は「先に見ると解けるようになるから」というものだ。合否の可能性を正確に判定するために、過去問はギリギリまで手をつけないほうがいいと考える保護者が多いという。
しかし後藤氏は、過去問で合格点を取れても、今年の入試で合格できるとは限らないと指摘する。年度によって出題内容は変わるため、同じ問題が出るわけではないからだ。過去問は合格可能性を測る「材料」としては有効だが、それだけに用途を限定するのは「もったいない使い方」だと述べている。
過去問の目的は「点数を取ること」ではない
後藤氏は、過去問を「ラスボス」ではなく「お助けアイテム」と捉えるべきだと主張する。早期に過去問に触れることで、出題傾向や解答形式、時間配分のヒントを得られる。例えば、記述式が多い学校なのか、選択式中心なのかを事前に把握しておけば、対策の方向性が明確になる。
「過去問を“横”に見る」ことが分析のコツだと後藤氏は説明する。複数年度の過去問を並べて比較することで、頻出分野や問題のパターンが見えてくる。親子でゲーム感覚でヤマを張ることも有効だという。
小4からの早期活用で得点力向上
後藤氏は、小4から過去問を見始めることを推奨する。理由は、早期に出題傾向を把握することで、塾での学習に優先順位をつけられるからだ。例えば、ある学校で毎年出る分野がわかれば、そこを重点的に勉強できる。また、解答形式に慣れることで、本番での時間配分のミスを減らせる。
「過去問は合格可能性を測るためだけのものではない。むしろ、学習の道しるべとして活用すべきだ」と後藤氏は強調する。
保護者向けオンラインセミナーも開催
後藤氏は、著書の発売を記念して、7月10日(金)19時からオンラインセミナーを開催する。テーマは「夏で差をつける!中学受験の親の『しんどい』が『大丈夫』に変わる」。参加費は無料で、アーカイブ配信もある。セミナーでは、後藤氏と進学塾VAMOSの富永雄輔氏が対談し、質疑応答も行う予定だ。



