沖縄県八重山郡に位置する「星のや竹富島」は、2026年11月11日から、島の重要無形民俗文化財である「種子取祭(タナドゥイ)」に没入する特別プログラム「種子取祭滞在」を提供する。料金は1名33,000円(税・サービス料込み、宿泊料別)で、定員は1~8名まで。公式サイトにて14日前まで予約を受け付ける。
約600年の歴史を持つ種子取祭
「芸能の島」とも称される竹富島の種子取祭は、約600年の歴史を持つとされ、国の重要無形民俗文化財に指定されている。毎年旧暦9月の庚寅(かのえとら)と辛卯(かのとう)の2日間を中心に、70余りの伝統芸能が神々に奉納される。祭りの根底には、竹富島の人々の基本精神である「かしくさや うつぐみどぅまさる」(一致協力が何よりも大切)という言葉がある。種子取祭の期間中は、島を離れた人々も里帰りし、皆で協力して準備や練習を行うことから、「ウツグミ(一致協力)の精神」が色濃く感じられる。
このプログラムは、滞在を通じて竹富島の魅力や島の人々の想いに触れ、人との繋がりや文化を継承する大切さを体感してほしいという思いから開発された。
プログラムの詳細
期間は2026年11月11日から13日までの3日間。料金には、祭事食イーヤチ、種子下ろし見学、フクミ見学ツアー、種子取祭朝食、奉納芸能鑑賞ツアー(昼食含む)、ユークイツアー、種子取祭関連の書籍、はちまきが含まれる。
竹富島を深く知る特別なお出迎え
本プランの滞在は、祭事に精通したスタッフによる特別なお出迎えから始まる。まず、港近くの「ゆがふ館(ビジターセンター)」で、竹富島の歴史、人々の営み、精神性といった文化の根幹について学ぶ。その後、種子取祭の舞台芸能の会場である世持御嶽(よもちうたき)をはじめとする集落内の要所を散策する。ホテル到着後は、祭りの期間に島の人々が用意する祭事食「イーヤチ」を味わう。
最も重要な儀式「種子下ろし」を見学
種子取祭において最も重要な儀式が「種子下ろし(タニウルシ)」である。この儀式は、かつて各家庭で行われていたが、現在では担い手の減少により島内でも目にする機会が少なくなった。本滞在では、畑に粟の種子を蒔き、祝詞(ノリト)を唱えて作物の豊作を祈願する播種の様子を見学できる。貴重な島の畑文化を知ることで、種子取祭への理解をより深めることができる。
本番前夜の「フクミツアー」
祭りのハイライトである奉納芸能の前日、各集落では「フクミ」と呼ばれる本番前のリハーサルが行われる。普段は見ることのできない祭りの準備を間近で見学できる。島人が実際の衣装をまとい、独特な緊張感の中で演目を各集落の先祖や長老に向けて披露する光景は、演じる一人ひとりの祭りにかける想いを感じられる貴重な体験となる。
没入感を高める特別アイテム
客室には、種子取祭に関連する書籍や絵本、島の儀式の際に着用するはちまきなど、特別なアイテムが用意される。竹富島の伝統様式を踏襲した空間で、本を通して島の人々の種子取祭への想いに触れる。また、島の人々と集落の家々を巡る「世乞い(ユークイ)」で着用するはちまきは、島の方と同じものを身につけることで、種子取祭への没入感を高める。
奉納芸能鑑賞ツアー
本ツアーでは、奉納芸能を鑑賞する前に、ホテルで竹富島の伝統文化や種子取祭が生まれた背景に関する解説を聞く。その後、奉納芸能が行われる世持御嶽(ユームチオン)へ向かう。会場では案内人が鑑賞マナーや見どころの演目について説明するため、島の人々と共に「庭の芸能」と「舞台芸能」をより一層楽しむことができる。前日に播種の儀式やフクミを見学したことで、島の方々が祭りに込める情熱をより深く感じられるのも、本プランならではの体験である。ツアーには、同ホテルのオリジナル弁当と演目の解説書が含まれる。
世乞いツアーで島の一体感を体験
奉納芸能の1日目の鑑賞後は、「世乞い(ユークイ)」と呼ばれる儀式に参加する。夕方から夜にかけて唄いながら集落内の家々を巡り、豊作を祈るこの儀式には、旅行者も島の人々と共に参加できる。案内人から儀式の流れや唄のレクチャーを受けた後、島の人々に交じって集落の家々を訪問。各家庭ではお神酒と伝統料理「ピンタク(ニンニクとタコの和え物)」が振る舞われ、島の一体感や精神性を感じることができる。
施設内での関連イベント
2日目の朝には、種子取祭にゆかりのある食材を使用した特別朝食「種子取祭朝食」が提供される。伝統作物の粟を混ぜ込んだご飯や粟味噌アンダンスー(油味噌)、朝でも食べやすいように味付けしたピンタクなどを楽しめる。食事の初めには、神様に供える「ミシャク(お神酒)」をアレンジした甘酒が用意される。
また、約100年前に作られた伝統的なはた織り機を使い、草木染めの糸でお守り袋を織る「五穀のお守りづくり」体験も実施。中に収める小瓶には、種子取祭にちなんだ穀物と魔除けの塩が詰められている。お守りに使う穀物は同施設の畑で育てられたものだ。
さらに、ラウンジでは「てーどぅんばなし」と題し、種子取祭をはじめとする島の文化や歴史にまつわる話を、実際の祭事の写真とともにスタッフが紹介する催しも行われる。



