頭のいい子が選ぶ参考書は「情報が少ない」ほうが成績が伸びる理由
頭のいい子が選ぶ参考書は情報が少ないほうが伸びる

「あんなに勉強したのに、なぜ点数が伸びない?」――そう悩む受験生は少なくない。偏差値35から東大に合格し、7月に『地頭力の正体』を著した西岡壱誠氏によれば、「頭がいい子」と「そうでない子」を分けるのは、参考書の情報量ではなく、その選び方、使い方にあるという。

参考書は「情報が少ないほうがいい」

西岡氏は自身の経験をこう振り返る。「毎日10時間以上机に向かっているのに、模試の点数は一向に上がらない。周囲の『要領がいい』受験生は、自分より短い勉強時間で高得点を叩き出している。当時の私は本気で『自分には才能がないのだ』と思い込んでいました」。しかしある日、問題は努力の「量」ではなく「質」にあると気づいたという。その質を左右していた最大の要因が、使っていた参考書、より正確に言えば参考書との向き合い方だった。

この気づきをもたらしたのは、受験期に出会った友人Aくんだった。当時の西岡氏は「情報量が多く、解説が丁寧な参考書ほどいい」と信じ、フルカラーで図解が豊富、注釈が細かく、章立ても親切に整理された分厚い参考書を何冊も買い込み、机の上に積み上げていた。ところがAくんは違った。Aくんが使っていた参考書は、解説が最小限で図もわかりにくいものだった。西岡氏は「なぜそんな参考書を選ぶのか」と尋ねたところ、Aくんは「参考書は、情報が少ないほうがいいんだよ」と答えた。

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「わかりやすさ」が思考力を奪っていく

西岡氏は、情報量の多い参考書は一見親切だが、学習者の思考力を奪うと指摘する。「丁寧な解説を読めばその場では理解できた気になるが、自分で考えるプロセスを省略してしまう。テストでは応用が利かず、点が伸びない」。一方、情報が少ない参考書は、読者が自ら図を描いたり、言葉を補ったりして理解する必要がある。この「じわじわ」とした時間こそが脳を鍛えるという。

『地頭力の正体』では、こうした「不便な学習」の価値を強調。西岡氏は「コスパの悪い『わかりにくさ』に本質がある」と述べ、あえて負荷をかけることで真の理解が得られると説く。

「不便な学習」の価値を見直す

西岡氏は、偏差値35から東大合格を果たした経験から、多くの受験生に共通する誤解を指摘する。それは「わかりやすい参考書=良い参考書」という思い込みだ。実際には、自分で考え、試行錯誤する時間を確保できる参考書こそが成績向上につながる。同氏は「勉強の質を高めるには、参考書選びから見直す必要がある」と結論づけている。

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