下野市は9月から、不登校の児童や生徒が自宅などから分身ロボットを遠隔操作し、適応指導教室などに参加する事業を始める。同市教育委員会によると、分身ロボットを教育現場に導入するのは県内で初めてという。
市が導入するのは、オリィ研究所(東京)が開発した高さ23センチの分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」。カメラやマイクを備え、遠隔操作で首を回転させて周囲を見回し、手を動かして様々な合図を送ることができる。音声や文字で会話もできる。
自宅で孤立する子供たちのために
坂村哲也市長は「もともと障害を持つ人のために開発されたロボットだと聞いているが、自宅で孤立する子供たちのために活用できると考えた」と話す。
市教委は、不登校の児童、生徒の居場所として設置した教育支援センター「スマイル教室」や相談ルーム「あおぞら」での活用を想定する。教室の机の上に置いたオリヒメを通じて、トランプなどのゲームに参加したり、休み時間には教室の仲間とおしゃべりしたりする。
カウンセリングにも活用
相談ルームに来所できない子供は、オリヒメを通して相談員のカウンセリングを受けることもできる。市教委の佐々木功一・学校教育課主幹は「自分の顔は見せなくてもいいのが、自宅を出られない子供には最大の安心感になる」と話す。
導入するオリヒメは1台で、11月初旬までのレンタル契約。市教委では9月から希望者を募り、運用を始める。需要が高ければ、台数の増加やレンタル期間の延長を検討する。
県内の教育分野では初
県内では、障害者の就労支援に分身ロボットを活用する自治体はあるが、教育分野では初の取り組みという。佐々木主幹は「オリヒメで仲間との関係を作り、『行ってみたい』『会ってみたい』という気持ちになってもらえれば」と話していた。



