日章学園九州国際高、ホースセラピー課程新設 全国初の教育認定校に
日章学園九州国際高、ホースセラピー課程新設 全国初認定

日章学園九州国際高校(宮崎県えびの市)は今年度、馬とふれあいながら心身の成長を促す「ホースセラピー」を学ぶ課程を新設した。同校は一般社団法人日本障がい者乗馬協会(JRAAD)から、全国の学校で初めて教育認定校に指定された。識者は「豊かな人間性を育める」と評価する。

馬と心を通わせる授業

5月下旬、校庭の一角で、ホースセラピーコース1年の女子生徒(15)がロープを引いて馬を歩かせた。止まれの掛け声で馬がぴたりと止まると、女子生徒は馬の首をなでながら「ありがとう」と笑顔を見せた。帰国子女で獣医師を志す彼女は「馬は言葉を話せないけど、互いに心でつながることができる。授業がとても楽しい」と語る。

同高は全日制単位制で、不登校経験者や進路変更を希望する生徒を受け入れている。新コースは情操教育や「やればできる」という自己効力感の醸成を目的に設置された。

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資格取得と就職支援

履修生徒は、騎乗者の補助を行う「ライディングヘルパー」資格の取得を目指す。この資格はJRAADが認定し、動物園や牧場、厩務員などへの就職に役立つという。同高はコース新設にあたりJRAADと連携して教育内容を検討し、全国初の教育認定校となった。

校庭には放牧区画、馬小屋、1周約40メートルの馬場を整備し、オス馬2頭を迎えた。指導する沼田楓太教諭(23)は宮崎大在学中に馬術部に所属し、1年間のオーストラリア留学でホースセラピーを学んだ経験を持つ。沼田教諭は「馬の世話では周囲とコミュニケーションを取り、馬の表情やしぐさから気持ちを読み取る必要がある」と、社会性や協調性の向上効果を強調する。

生徒の成長と挑戦

今年度は1~3年生計13人が在籍。週5時間の授業のうち乗馬に2時間を充て、馬との付き合い方から教える。座学ではセラピー理論を学び、技術と心構えを養う。多くの生徒は校内寮で生活し、登校前に2頭の世話を分担する。沼田教諭は「朝が苦手だった生徒が、自らアラームをかけて起きてくるようになった」と成長を喜ぶ。6月から乗馬練習が始まり、「馬に乗るのは怖いが、乗り越えた先に馬と心を通わせて走る快感がある。何事にもチャレンジする精神を育てたい」と意気込む。

専門家の評価

馬を取り入れた教育に関する論文を執筆した千葉大の冨田久枝名誉教授(心理学)は「馬は体が大きく、関わるには勇気が必要だが、近づくほど受け入れられていることに気づき、自己効力感を高められる。指導者が生徒の自主的な発見を導くことも重要だ」と指摘。その上で同高の取り組みを「人間性が豊かになる可能性をつくったと高く評価したい。国内にホースセラピーの専門家は少なく、注目される学校になってほしい」と称賛する。

他の動物導入事例

馬以外にも、教育現場に動物を取り入れる学校がある。東洋英和女学院小学部(東京)は2025年4月からオーストラリアン・ラブラドゥードルを「スクールセラピードッグ」として導入。飼い主の吉田太郎小学部長は「学校に行くのが楽しみになったという児童もいる。愛情をかけることで情緒面の成長を感じる」と話す。通信制の勇志国際高(熊本県天草市)は2006~10年、校舎前の海でバンドウイルカを飼育。担当者は「不登校だった生徒もイルカのそばでは心を開き、笑顔になっていた」と振り返る。

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