算数は得意でも国語が苦手な中学受験生が、読解問題への取り組み方を変えることで、国語の偏差値を一気に13上げた事例が紹介された。中学受験に詳しい桜井信一氏が、自身のオンライン個別指導会での経験として明かしている。
算数は偏差値60超え、国語は低迷
桜井氏によると、サピックスオープンで国語の偏差値が42から65に上昇した6年生がいた。この子は「正真正銘の偏り君」で、算数は偏差値60を超えているのに対し、国語はずっと低迷していたという。前々回の国語は54だった。
夏に実施したオンライン個別指導会は、動画配信ではなく双方向形式の試験的な取り組みだった。定期的に受験生の状況を把握し、今後の動画制作に反映する狙いがあった。お盆前の22時に申し込みを受け付けたところ、9名の枠に申し込みが殺到。22時00分の時点で5名が確定し、数分遅れで定員に達した。
国語を「曖昧なもの」と捉えていた
申し込みの半数が国語の指導を希望しており、その中に「志望校は文句なしの最難関、国語がなければ合格するだろう」という受験生がいた。実際に受験するのは2校で、いずれも最難関中学だが、国語の傾向がまるで異なる2校だった。
指導を始めてから1時間ほどで、国語ができない原因が判明した。この子は国語を曖昧なものと捉え、「2×3=6のようにはっきりさせてくれよ」というタイプだった。算数が得意な子によくあるケースだという。
以前にも灘中学志望の子の父親から「国語がなければ合格できるんです。何とかなりませんか」という問い合わせがあった。灘中学は2日間にわたって入学試験があり、国語と算数勝負だ。桜井氏は「国語がなかったらという話は惜しい話ではありません。入試がなければと言っているのと同じこと」と指摘する。
抜き出し、選択肢、記述と順番に解決
桜井氏は、国語ができない子は「まず文章が読めるように、要するに読解できるようにしたい」と考えがちだが、それは算数でいうと全単元を同時にできるようにしたいと言っているようなものだと説明。抜き出し問題、選択肢問題、記述というように順番に解決していくべきだと説く。
読解は最初に読んだときではなく、設問を半分まで解いたときに半分ほど読解できていて、すべての設問に答えたとき初めて完成するという。9月のサピックスオープンで国語の偏差値が13上昇し、算数もさらに上がって偏差値70になった。11月の模試で安定するかの確認待ちだが、桜井氏は「受験は自信も重要科目ですから、うまくやってくれるのではないかと期待しています」と話す。
受験生は残り3か月。5年生も算数の難しい単元を習っている最中で、国語に時間を割けない状況がある。桜井氏は「国語は算数よりもあっさり解決する科目。読解の完成のタイミングを考えて取り組んでみてほしい」と呼びかけている。