「あと5分だけ寝かせてほしい」――。ワンオペ育児に追われる母親の切実な叫びを描いた漫画が、SNS上で大きな共感を呼んでいる。作者は自身の経験をもとに、休む間もなく続く家事と育児の日々、そして周囲の無理解による孤独感を赤裸々に描いた。
描かれたリアルな日常
漫画では、夜中の授乳やおむつ替えで睡眠が断片的になり、朝を迎えても子どもの要求に応え続ける母親の姿が克明に描写される。疲労で頭がぼんやりする中、夫や周囲から「大変だね」と軽く言われるだけの状況に、やり場のない怒りと悲しみが募る。特に印象的なのは、母親が「あと5分だけ寝かせて」と布団の中で願うシーン。しかし、その願いもむなしく、子どもの泣き声で現実に引き戻される。
SNSで拡散、共感の輪
この漫画はTwitterで公開されると瞬く間に拡散され、1万件以上のリツイートと5万件以上の「いいね」を獲得。コメント欄には「まさに自分のこと」「孤独で辛いのは私だけじゃなかった」といった共感の声が殺到した。一方で、「夫にもっと協力を」「社会のサポートが必要」と、制度や意識の改善を求める意見も多数見られた。
作者はインタビューに対し、「この漫画を通じて、ワンオペ育児のリアルを知ってもらい、少しでも理解が広がってほしい」と語っている。実際、育児中の親が感じる孤独やプレッシャーは、決して個人の努力で解決できるものではなく、社会全体で支える仕組みが求められている。
専門家の見解
子育て支援に詳しいNPO法人「こども未来」の代表は、「ワンオペ育児は親の心身の健康を脅かす深刻な問題。国や自治体による訪問支援や一時預かりの拡充、職場の理解促進が急務」と指摘する。また、SNSでの共感の広がりは「同じ悩みを抱える人がつながるきっかけになる」と評価している。
この漫画は、ワンオペ育児の現状を浮き彫りにするとともに、子育て環境の改善に向けた議論を喚起する一石となった。



