「生成AIがあれば塾はいらない」という意見がある一方で、「生成AIなんて勉強に使ってはいけない」という声も聞かれます。実際のところ、どちらが正しいのでしょうか。東大生の間でも生成AIを活用する人は増えており、その使い方次第で大きな効果を発揮する道具であることは間違いありません。
生成AIは「考える人」だけが活用できる道具
一般財団法人ドラゴン桜財団代表理事で、ドラゴン桜2編集担当の西岡壱誠氏は、生成AIの勉強活用について次のように指摘します。「生成AIがあれば塾はいらないというのは、人によっては当てはまるし、当てはまらない。自分の頭で考える癖がついている子には塾はいらないかもしれないが、まだその癖がついていない子から塾を取り上げるのは危険だ」と述べています。
AIの前に座った子どもは、99%の確率で「楽な道」に吸い込まれていくと西岡氏は警告します。つまり、生成AIで塾がいらなくなる子は、もともとどんな先生でも頭が良くなれる素質を持った子であり、それが先生ではなくAIでもよかっただけのことだと説明します。
学校や塾の本当の価値とは
西岡氏は、学校や塾・先生の本当の価値は「知識を教えてくれること」ではなく、「考えることから逃げさせないでくれること」にあると主張します。具体的には、横にいる先生が「お前、ちゃんと考えたか?」と聞いてくれる機能が重要であり、現時点のAIはこの機能を果たせていないと指摘します。
一方で、「生成AIを勉強に使ってはいけない」というのも暴論だと西岡氏は言います。「電子辞書より紙の辞書がいい」「タブレットより紙とペンがいい」「デジタル教科書より紙の教科書がいい」といった意見が勉強の分野ではよく聞かれますが、大学や会社に入ればスマホもタブレットも生成AIも普通に使うことが求められます。そのため、デジタルの危険性を理解しつつも一部は利用していく態度が必要だと述べています。
保護者が子どもに聞くべき一言
もし保護者の方がお子さんがChatGPTを使って勉強しているのを見たとき、次の質問をしてみてください。「そのAIが出した答え、なんでそうなってるか、自分の言葉で説明できる?」という一言です。
説明できれば、お子さんはAIを「相棒」として正しく使えています。逆に、説明に詰まったら、AIに丸投げしているサインかもしれません。ChatGPTなどの生成AIは「考える人」が使ってこそ意味がある道具であり、「考えない人」が使えば、考える力をどんどん奪っていく道具にもなり得ます。その認識を持った上で、子どもに生成AIを使わせることが重要です。



