39歳で東京藝大院に合格、高校中退→フリーター→SEを経て挑んだ第2の人生
39歳で東京藝大院合格、高校中退からSE経て挑んだ第2の人生

高校中退、フリーター、システムエンジニア(SE)という異色の経歴を持つ木村さんは、39歳で東京藝術大学大学院(映像研究科アニメーション専攻)に合格した。浪人経験が人生を「劇的に」変えたと語る彼の挑戦は、周囲から「鼻で笑われる」状況の中でも揺るがなかった。

藝大院受験の舞台裏:倍率9〜10倍の難関

木村さんが出願したのは、映像研究科アニメーション専攻の中でもゲーム制作が可能なコース。1次試験では作品ポートフォリオと研究計画書を提出し、自身の実験的・抽象的なアニメーションを詳細に解説した。2次試験では、教授との面談、論文試験、その場で与えられたテーマで絵コンテとスケッチを描き即興でアニメーションを構想するという3つの課題が課された。

「藝大院を受けようと思ったのが秋だったのですが、すでに募集期間と被っていてギリギリでした。とにかくポートフォリオと研究計画書を出さなきゃと思っていたので、準備はほぼほぼできませんでしたね。ただ、2次試験の準備は、1次試験から数週間の余裕があったのでなんとかできました。倍率は9〜10倍くらいあったのですが、働きながら準備するのがあまりにしんどかったですし、受かる自信があったので、合格発表の前に仕事を完全に辞めてしまいました」

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こうして木村さんは、自信通りの一発合格を果たし、39歳で東京藝術大学の大学院に入学することができた。

「ベストなタイミング」で大学院へ

39歳で大学院に進学した木村さんは、再受験して良かったことについて「ベストなタイミングで大学院に入れた」と振り返る。頑張れた理由は「好きなことだったから」だという。

「大学院は2年間しかないので、その中でどれだけできるかを逆算する感覚が、大人になった分よく掴めていました。藝大に入る前にやりたかったことが、計画通りにできたんです。あとは自分より15歳ほど若い、モチベーションの高い学生たちと一緒に過ごせたのも貴重でした。先日も色んな国籍や専門の人たちと旅行に行ったのですが、20代前半で大学院に入っていたら、対人関係が苦手な自分にそういうことはできていなかったと思います」

「藝大受けるよって言っても鼻で笑われる」

木村さんは、周囲の反応について「藝大受けるよって言っても鼻で笑われる」状況だったと明かす。しかし、その逆境がむしろ彼の原動力となった。高校中退後、フリーターやSEとして働きながらも、アニメーションへの情熱を持ち続け、39歳で夢を実現した。

彼の経験は、年齢や学歴に関係なく、情熱と努力次第で人生を大きく変えられることを示している。浪人という期間が、彼にとっては自己を見つめ直し、本当にやりたいことに向き合う貴重な時間となった。

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