有名校長去りし後の公立学校改革の実態:復活する旧来の校則と管理主義
有名校長去りし後の公立学校改革の実態

有名校長の退任後、公立中学校に何が起きたか

かつて公立中学校で革新的な改革を断行した「有名校長」西郷氏。彼が去った後、学校現場では再び旧来の管理主義が息を吹き返している。西郷氏が廃止した校則の一部が、公式には存在しないまま復活し、生徒や保護者もその理由を知らないという実態が明らかになった。

「他クラス進入禁止」ルールの復活

西郷氏が校長在任中に撤廃した校則の一つに、「自分のクラス以外は入ってはいけない」というものがあった。このルールは、教員が生徒を管理するための単位としてクラスを固定し、他のクラスの生徒が自由に行き来することを防ぐ目的だった。西郷氏はこれを「生徒に説明して理解してもらえることではない」として廃止した。しかし、西郷氏退任後、このルールは復活している。現役生の保護者からは「他学年のフロアにも基本的に行ってはいけないと聞いています」という声が聞かれた。ただし、このルールは明文化されておらず、校則としても存在しない。筆者が取材した限り、生徒も保護者も「なぜ、そういうルールがあるのか」理解していないようだ。

職員室への入室手続きの復活

西郷時代を知る保護者は、学校を訪れた際に驚いた光景を語る。「職員室に入るときに生徒が大きな声で、『○年○組の○○です。○○先生に○○の用事があって来ました』と叫んでいる。それで職員室から許可の声がかかったら入っていきました。そういうルールになっているらしいんです」。西郷氏が校長だった頃、職員室への生徒の出入りは自由で、許可を得る必要はなかった。この変化について、元桜丘中学の教員は説明する。「西郷さんがいるときから、そのことは教職員の中では問題になっていました。とくに異動したばかりの先生は、『前任校でこんなことはなかった。生徒が自由に入ってくると仕事ができない』と不満を言っていました。前からいる先生たちからすれば『何言ってるの』という感じでしたけどね」。

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校長室の風景も一変

西郷時代、校長室はいつもドアが開け放たれ、生徒が自由に出入りできる場所だった。生徒が校長室でおしゃべりをしたり、ギターを弾いたりする姿も見られた。筆者が西郷氏にインタビュー中、一人の男子生徒が入ってきたこともある。西郷氏が「ちょっとお客さんで、ごめんね」と応じると、生徒は困った顔をしたという。しかし現在、校長室は一般的な学校と同様、生徒が入りにくい雰囲気に戻っている。

定期テストの復活

西郷氏の改革の目玉の一つだった定期テストの廃止も、退任後には元に戻された。西郷氏は「定期テストは一時的な暗記を促すだけで、真の学力につながらない」として、廃止を断行。代わりに、プロジェクト型学習やプレゼンテーションを評価に取り入れた。しかし、西郷氏退任後、学校は再び定期テストを導入。教員や保護者からは「学力低下が心配」「入試対策が必要」との声が上がり、従来の評価方法が復活した。

改革の持続可能性が問われる

西郷氏のようなカリスマ校長に依存した改革は、その人物が去ると後退するリスクがある。元教員は「西郷さんの理念を引き継ぐ教員が少なかった。異動で新しい先生が来ると、また元のやり方に戻ってしまう」と指摘する。学校改革に必要なのは、一人のリーダーの「大胆さ」だけでなく、組織全体で改革を定着させる仕組みや、教員間の共通理解ではないだろうか。西郷氏の退任から数年、公立中学校の現場は再び管理主義へと揺り戻されている。その背景には、教員の異動や保護者の不安、入試制度など、構造的な課題が横たわっている。

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