大阪府寝屋川市が2026年度の保育園入所選考に、園による保護者面接を新たに導入したことが波紋を広げている。従来の点数評価に加え、面接と願書の評価を合計して合否を判定する異例の方式で、いわば「保育園受験」とも言える取り組みだ。
面接導入の背景と仕組み
寝屋川市は2026年4月入園の1次募集から、市が定める指標による点数に加え、保育園が実施する保護者面接(0点、20点、40点の3段階)と願書の評価を合計し、最高300点超で審査した。面接は合否を分ける重要な要素となった。
市保育課の岡裕二課長は「面接は選考の透明性や保護者の納得感を高め、個々の家庭の事情をより明確にする」と説明する。従来は、保護者の就労状況や子どもの健康状態などで点数化する方式が一般的で、面接評価を加える自治体は全国的に珍しい。
保護者の反応と対策
市内の37歳の女性会社員は、長男(1歳)を長女(3歳)と同じ園に入れるため、面接対策として園の保育理念を調べ、自身の考えを明確に伝えられるよう準備したという。新制度では、きょうだい優先の原則も見直され、加点要素の一つに縮小されたため、不安を感じたと語る。「面接が0点だったらどうしよう」と心配したが、無事第1希望の園に決まった。
別の34歳の女性会社員は、7つの園を見学し、面接で思いを伝えるチャンスがあったことを歓迎。「どうしても入れたかった。願書には1600文字以上、食育への取り組みや見学時の対応について書いた」と振り返る。
懸念と専門家の見解
一方、市議会では「園が対応しやすい家庭ほど高く評価されれば、選別につながる恐れがある」との懸念が上がった。市は、園の審査が0点の場合、理由を確認することで公正性を確保していると説明する。
保育政策に詳しい大阪教育大の小崎恭弘教授は「少子化で待機児童が減る中、保護者のニーズを詳細に把握し、園とのマッチングを重視する点は良い」と評価する一方、「願書や面接の『受験』対策に余裕のない家庭が不利になる懸念もある」と指摘する。
今後の課題
子育て世帯にとって、希望する園に子どもを預けられるかは大きな関心事だ。寝屋川市の試みは、公平性と保護者の納得感を両立できるか、全国のモデルケースとして注目される。



