「ChatGPTがあるなら、塾はいらないのでは?」——最近、多くの保護者からこんな相談が寄せられている。実際、生成AIは塾の代替として十分に機能しつつある。英作文を一瞬で作成し、数学の問題を写真で撮れば途中式まで解説、わからない単語を例文付きで教えてくれる。しかも24時間、月2000円程度で利用可能だ。
東大合格者の生成AI活用法
一般財団法人ドラゴン桜財団代表理事で『地頭力の正体』の著者・西岡壱誠氏によると、今年の東大合格者の中には塾に行かずに生成AIだけで合格を掴んだ学生が少なくとも3人いたという。彼らに共通していたのは、ChatGPTに「答え」を聞くことがほとんどなかった点だ。
例えば、数学の難問に直面した際、彼らは次のように質問していた。「この問題、どこから手をつけるのが定石ですか?」「自分はこういう方針で解こうとしているんですが、この方針って筋がいいですか?」「自分の解き方とは別に、まったく違うアプローチってありますか?」。つまり、ChatGPTを「答えを出してくれる人」ではなく、「自分の考えを壁打ちする相手」として活用していたのだ。
英語学習での具体的な使い方
英語の長文読解でも同様で、まず自分で全文を訳し、わからない単語は推測した上で、ChatGPTに「自分の訳のおかしいところを、理由つきで指摘してください」と依頼していた。これにより、自分で考えるプロセスを経た上でAIからフィードバックを得ることで、理解が深まるという。
西岡氏は「生成AIを使って『頑張った痕跡』をガン無視するのではなく、自分の思考を磨くツールとして使うことが重要」と指摘する。「生成AIを勉強に使ってはいけないというのは暴論だが、使い方を誤ると逆効果になる」とも述べている。
「地頭力」を鍛える生成AI活用法
このように、生成AIを「答えをもらう道具」ではなく「思考を深める対話相手」として使うことが、東大合格につながった要因の一つと言える。西岡氏は新著『地頭力の正体』で、こうした「本当の頭のよさ」の違いを解説している。
保護者にとっては、子どもに「ChatGPTで答えを調べなさい」と言うのではなく、「この問題についてChatGPTと議論してみなさい」と促すことが、より効果的な学習支援になるかもしれない。



