AI面接導入4割弱、企業の本音と学歴不問の課題
AI面接導入4割弱、企業の本音と学歴不問の課題

新卒採用の面接に対話型AIを利用する企業が増加している。今回、大手企業の人事部門関係者59人を対象にAI面接に関するアンケート・ヒアリング調査を実施したところ、4割弱が「導入している」と回答した。導入企業23社、未導入36社という結果だ。

導入企業の本音:効率化と質の向上

すでにAI面接を導入している企業の人事部門関係者は、採用業務の効率化や面接の質の向上を導入理由として挙げている。金融業界のある企業は、「人事部門の限られた陣容で数千ものエントリーに対応するのは困難で、採用業務の効率化が喫緊の課題でした。エントリーシートや適性検査の処理では、以前からAI化を進めていましたが、今年から1次面接でも対話型AIを本格導入しました」とコメント。商社の担当者は、「昨年導入しました。以前は、各部門の若手・中堅に面接官として1次面接の対応を依頼していましたが、面接スキルや対応にバラツキが大きく、応募者にも『面接官の当たり外れがある』と不評でした。AI面接によって、こうした問題が解決すると期待しています」と話す。

未導入企業の前向きな姿勢

一方、「導入していない」と回答した36社のうち28社が、「近く導入する」「導入に向けて検討中」「検討を開始したい」と導入に前向きな姿勢を示した。エネルギー業界の企業は、「全社的にAI化を進めており、人事部門でもAI化を前提にあらゆる業務を見直し中です。採用業務の負荷は多大で、AI化の号令は渡りに船というところです。最終面接はともかく、1次面接は完全にAI化したいと考えています」と述べている。

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就活生はAI面接に後ろ向き

しかし、就活生の間ではAI面接に対する抵抗感が根強い。調査では、就活生の多くが「AIに評価されることに違和感がある」「人間味のあるコミュニケーションが取れない」と懸念を示している。企業側も、AI面接の評価項目の設定に課題を感じており、特に「学歴不問」を掲げながらも、AIが学歴を重視する傾向を排除できないジレンマを抱えている。

評価項目の設定が課題

AI面接では、企業が求める人材像に基づいて評価項目を設定する必要があるが、学歴や出身大学などの要素が無意識に反映されるリスクがある。ある人事担当者は、「学歴不問をタテマエに掲げていても、AIが過去の採用データから学歴を重視する傾向を学習してしまう。本当に能力本位の評価ができているのか、疑問が残る」と打ち明ける。アメリカでは人事部門を持たない企業も多く、AI面接の導入が進んでいるが、日本ではまだ導入企業は少数派だ。

AI面接の未来と課題

AI面接の導入は、採用業務の効率化や面接の質の均一化に寄与する一方で、評価の公平性や就活生の心理的負担など、解決すべき課題も多い。企業はAI面接を導入する際、透明性の高い評価基準の策定や、就活生への丁寧な説明が求められる。今後の動向が注目される。

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