「有名校長」去り6年…桜丘中学の定期テスト復活とチャイム再導入、公立校改革の持続可能性に疑問
有名校長去り6年…桜丘中学の定期テスト復活とチャイム再導入

カリスマ校長として知られた西郷氏が去って6年、かつて大胆な学校改革で注目を集めた公立中学校の姿が変わりつつある。西郷氏が廃止した定期テストは復活し、授業の開始と終了を告げるチャイムも再び鳴り響く。生徒たちは「自分で考え行動する」ことから遠ざかり、指示を待つ受動的な姿勢に戻りつつあるという。

西郷時代の改革:定期テスト廃止と主体性の尊重

西郷氏が校長を務めていた桜丘中学では、生徒総会で定期テスト廃止が提案され、可決された。西郷氏はこれを尊重し、定期テストを廃止。代わりに単元ごとの「積み重ねテスト」を導入し、生徒の理解度を確認する小テストを頻繁に行った。授業の開始と終了を知らせるチャイムも廃止し、生徒自身が時間を管理して行動することを促した。

この改革は、学習指導要領が掲げる「主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力」の育成に合致するものだった。しかし、現場の教員や保護者からは賛否両論があった。定期テストがないことで学力低下を懸念する声や、テストの回数が増えて負担に感じる生徒もいた。

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校長交代で一変:定期テスト復活とチャイム再導入

西郷氏の退任後、新しい校長が着任すると、状況は一変した。元桜丘中学教員の証言によれば、新しい校長は「定期テストをやるかどうかは生徒が決めることではなく、学校が決めることだ」という理由で、ほぼ強引に定期テストを復活させたという。復活したのは定期テストだけでなく、チャイムも再び導入された。西郷時代には生徒が自分たちで時間を判断して行動していたが、今はチャイムに合わせて動くようになった。

定期テスト復活後も、積み重ねテストは廃止されずに併存している。本来なら、定期テストを復活させるなら積み重ねテストは不要になるはずだが、現在の桜丘中学では両方のテストが行われている。

公立校の宿命:校長交代で校風が変わる

公立学校は「校長が代われば校風も変わる」と言われる。西郷氏の大胆な改革も、校長の権限で行われたものであり、後任の校長がそれを否定するのもまた校長の権限の範囲内だ。しかし、西郷時代に築かれた生徒の主体性を尊重する取り組みの一部は、残す価値があったのではないかという指摘もある。

西郷氏の退任から6年が経過し、生徒も保護者も大半が入れ替わった。現在の桜丘中学の関係者からは「西郷時代に戻せ」という声は聞かれないという。教員も異動で多くが入れ替わり、西郷時代を知らない教員が増えている。西郷時代に反対や不満を持っていた教員もいたことは事実であり、すべてが正しかったわけではない。しかし、引き継ぐべき価値ある取り組みもあったはずだ。

現在の桜丘中学:活気のなさと「普通の中学校」化

西郷時代を知る保護者は、「今は外部からたまに見るだけでしかないが、西郷さんの時代に比べれば、今の桜丘中学の生徒たちには活気が感じられなくなった」と語る。現在の桜丘中学は、かつてのようにメディアで取り上げられることもなくなり、「普通の中学校」として日常が過ぎている。

新しい校長の判断には、それなりの理由があったはずだが、取材に対しては「辞退します」の一言で断られた。改革の持続可能性という観点から、校長が代わっても残すべきものは何か、という視点が欠けていたのではないか。

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公立学校の改革は、一人のカリスマ校長のリーダーシップに依存するだけでは持続しない。制度としての仕組みや、教員間の合意形成、保護者や地域の理解など、多角的な視点が必要だ。西郷氏の改革は確かに大胆で注目を集めたが、その後の持続可能性に課題を残したと言える。