39歳で東京藝大院合格、異色の経歴を持つ木村さん
高校中退、フリーター、システムエンジニア(SE)を経て、39歳で東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻に合格した木村さん(仮名)。その人生は「浪人したら劇的に変わった」という言葉に象徴される。周囲から「鼻で笑われる」状況の中、挑んだ受験と第2の人生の物語。
転機はiPadとApple Pencil
38歳の頃、沖縄に住みながらSEとしてリモートワークをしていた木村さんに転機が訪れる。「知人からiPadとApple Pencilを借りたのですが、これで『絵が描けるじゃん』と思って、仕事の後に久々にアニメーションを趣味で作り始めたんです。すると、毎日作っていくうちに、これは趣味の域じゃないんじゃないかというレベルのものができてきました。作っているのはかなり面白かったし、自分としても手応えがありました」
映画祭で評価され、自信を得る
多摩美術大学時代と同じく「どこに発表すればいいかわからない」という問題に直面したものの、今回は実験的・抽象的な映像作品を評価する映画祭の存在に気づく。応募してみると、想定以上の評価を獲得。国内外の映画祭にも入選し、「自分の作品は思ったより勝負できる場所があるんじゃないか」という確信が生まれた。
藝大院受験を決意
30代後半にして充実した制作生活を送っていた木村さん。ある日、実家・横浜の近くに映像を勉強できる場所があることを知る。それが東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻だった。受験を決意した理由について、「商業アニメではなく、表現の中で新しいものを追求する研究科だったから」と語る。
合格発表の前に仕事を完全に辞めた
次ページでは、合格発表前に仕事を完全に辞めた決断や、受験勉強の詳細、そして現在の活動について紹介する。



