住宅街などにある幅員の狭い「生活道路」の自動車の法定速度を時速60キロから30キロに引き下げる改正道路交通法施行令が1日、施行された。県内では生活道路が一般道の約8割を占め、歩行者や自転車が巻き込まれる死亡事故が頻発している。県警は事故の重大化を防ぐため、周知を急いでいる。
笠間市で啓発活動
「9月から法律が変わります。気をつけてください」。8月27日朝、笠間市の「すみれこども園」の近くで、警察官らが車で園児を送りに来た保護者に法定速度の引き下げを啓発するチラシを配った。
同園に接する市道も生活道路だ。車で孫を送った同市の女性(66)は「いつも使う道路が引き下げの対象になるとは知らなかった。速度を守って運転するよう注意したい」と話した。
生活道路の定義と事故の実態
生活道路は、主に幅員5.5メートル未満で中央線や分離帯がない一般道。1日から法定速度が時速60キロから30キロに引き下げられ、違反者は取り締まりの対象になる。道路標識で最高速度が指定されている場合は、その速度規制が優先される。
県内では一般道総延長約5万5000キロ・メートルのうち、生活道路が約8割を占め、全国平均の約7割を上回る。県警によると、県内で昨年に起きた人身事故6162件のうち、生活道路での事故は1191件と約2割を占めた。
7月8日には土浦市の市道交差点で自転車の女性が軽バンにはねられて死亡したほか、同月10日には美浦村の村道交差点で軽トラックを運転していた男性がワゴン車と出合い頭に衝突して死亡するなど、生活道路での死亡事故が相次いだ。
速度引き下げの効果と今後の対応
国土交通省のまとめによると、自動車の速度が時速30キロを超えると、はねられた歩行者が死亡する割合は時速30キロ以下の事故に比べて3倍以上に上昇する。県警によると、県内では今年、8月30日までに74人が交通事故で亡くなった。昨年同期比で25人増え、交通死亡事故が急増している。
一方、一律に法定速度が引き下げられると地域住民の生活に支障が出るケースも想定される。そのため、県警は、人通りや交通量の少ない道路については最高速度を40キロや50キロに規制する道路標識を設置するなどの対応を進める方針だ。
県警交通総務課の平根英一総括理事官は「交通ルールを順守し、事故のリスクを減らす運転を心がけてほしい」と呼びかけた。



