虐待など様々な事情で親元で暮らせない子どもを家族として養育する「里親」を支援しようと、電子書籍取次大手「メディアドゥ」(東京)の藤田恭嗣社長が、一般財団法人「未来への箱」を設立した。徳島県那賀町木頭地区を拠点に、県内外の里親家庭に移住を勧めるとともに、地域ぐるみで子育てする新たな里親支援モデルの展開を目指す。
独自の給付と支援内容
同法人は那賀町木頭の里親家庭などに対し、国や自治体からの養育費や手当とは別に、子ども1人あたり月5万~10万円を独自に給付する。おむつや絵本なども配布する予定で、2年間で20人を目指す。支援を受けるには、同法人の審査、認定が必要になる。このほか一人親家庭や、新たに子どもが生まれた家庭にも支援を行う計画という。
地域との交流イベントも
「すべての子どもに愛された記憶と、帰る場所を」という思いから、スマートフォンで撮影した子どもの写真を保存する成長記録アプリの製作や、那賀町木頭にある複合施設「ニシウ ド ルポ」を拠点に、地域住民や子どもとの交流イベントも実施するという。
記者会見での説明
県庁で7月27日にあった記者会見では、藤田社長が設立の背景などを説明。日本では、親元で暮らせない子どもが里親と暮らす割合(里親委託率)が20%台にとどまり、他国に比べ低い現状を訴え、自身に娘が生まれた経験から「地域に赤ちゃんが一人増えると地域は明るくなる」と強調した。
藤田社長は「家庭だけでなく地域全体で子どもを育てる仕組みを、木頭から全国にも広げていきたい」と意気込んだ。会見に同席した後藤田知事は「県としても全面的にバックアップしていきたい」と話した。



