歩幅で寿命がわかる!死ぬまで歩ける体のつくり方 リハビリ専門医が警告
歩幅で寿命がわかる!死ぬまで歩ける体のつくり方

リハビリテーション科医で博士(医学)の安保雅博氏は、著書『歩幅を見れば、寿命がわかる 「死ぬまで歩ける体」のつくり方』(アスコム)の中で、歩幅が寿命の重要な指標になると指摘する。同氏は「まずは自分の老いに気づくことだ。体を動かし続けることをやめないでほしい。人間は楽をすればするほど、筋肉量が恐ろしいスピードで減っていく」と警鐘を鳴らす。

「自分はまだ大丈夫」という慢心が危険を招く

現実を認めず「自分はまだ大丈夫」と誤った認識で行動することは、予期せぬ事故やケガにつながり、寝たきりや要介護への入り口となる。特に大きなリスクが転倒だ。老いは肩から始まり、全身へドミノ倒しのように影響を及ぼし、転びやすい体を静かにつくり上げる。典型的なのは「若い頃の感覚のまま動いてしまう」ケースで、中高年以上の人に「昔と同じつもりで走って転倒し、肉離れやアキレス腱断裂を起こす」という失敗パターンがよく見られる。高齢になると、平らな道を歩いているだけでも転倒リスクは高まる。筋力低下に加え、柔軟性やバランス能力も落ちているからだ。

骨折は「寝たきり老人」の入り口

高齢者の転倒で最も恐ろしいのが骨折だ。多いのは「手をついて転び、手首や腕を骨折する」「手をつけなくて股関節(太ももの付け根)を骨折する」というケース。特に股関節の骨折は、その後の歩行能力や生活の質を大きく左右する。転倒しなくても、老いを放置することで関節疾患は進行する。肩や首~頭が前に倒れ、背中が曲がると、本来かからないはずの負担が背骨・股関節・ひざに集中する。背筋力が十分にあれば体を後ろへ引き戻せるが、加齢によってそれは難しくなる。さらに、骨と骨のクッション役である椎間板も年齢とともに機能が低下。その結果、骨同士の間隔が狭まり、体重や衝撃が直接骨に伝わり、背骨・股関節・ひざなどの骨がつぶれていく。一度つぶれた骨は元には戻らない。要介護・要支援の状態になった原因の上位には、転倒・骨折・関節疾患がことごとく含まれており、骨折は「寝たきり」の入り口となっている。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

動かない状態で筋肉は1カ月に半分失われる

安保氏は「動かない状態が続くと、筋肉は1カ月で約半分失われる」と警告する。これは、例えば「毎日5キロの米袋を運ぶおばあちゃん」が、家族の過保護によってわずか2週間でその役割を取り上げられ、90歳女性が「ヨボヨボ老人」に変わってしまった事例からも明らかだ。同氏は「90歳から『役割』を取り上げてはいけない」と強調する。役割を失うことで、心身の機能が急速に低下するからだ。

「心の変化」も起こりやすくなる

体を動かすことは、心の老化も防ぐ。安保氏は「体を動かすと、心の変化が起こりやすくなる」と指摘。運動は脳の血流を促進し、認知機能の維持にも寄与する。同氏は「107歳まで生きる時代」において、動ける体を維持することが医療費や介護費の節約につながるとも述べている。最終的に、同氏は「どう生き、どう動き続けるか」を考えることの重要性を説いている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ