お盆に久しぶりに実家へ帰ると、「親は思ったより元気そうだし、まだ大丈夫」と感じる方は多いかもしれません。しかし、久しぶりに会う子どもに心配をかけまいと、親御さんがいつもより元気に振る舞っていることもあります。帰省に合わせて家の中を片づけたり、身なりを整えたり、食事を用意してくれたりすることもあるでしょう。
その姿を見ると、子どもとしては安心しますし、「まだうちの親は大丈夫」と思いたくなるものです。けれど、元気そうに見える姿だけで、日々の暮らしに困りごとがないと判断するのは少し早いかもしれません。
一方で、久しぶりに帰省するからこそ気づける変化もあります。毎日のように見ていると見過ごしてしまうような小さな変化も、ひさびさに実家を訪れると「あれ、前と少し違うな」と感じることがあるからです。
親と実家の変化は「以前との違い」に表れる
私自身、実家じまいを経験した当事者として、またWebメディア「実家のこと。」を通じ、さまざまな方にお話をうかがうなかで感じるのは、親や実家の変化が“大きな問題”として表れるとは限らないということです。むしろ、以前と比べたときの“小さな違い”として見えてくることも少なくありません。
こうした違いは、実家のこれからを考えるうえで見逃したくないサインです。ただし、大切なのは「親ができていないこと」を探すことではありません。以前の親御さんや実家の様子と比べて「暮らしに負担が出ていないか」を知ることです。
今回は、お盆帰省で気づきやすい実家の変化を3つご紹介します。注:事例はプライバシー保護のため一部設定を変えています。
①使っていない部屋が物置状態になっている
まず見ておきたいのは、使っていない部屋が物置状態になっていないかです。かつて子ども部屋だった部屋、客間、納戸、和室など、以前は使っていたはずの部屋に、いつの間にかモノが積まれている。季節用品、古い家具、子どもが置いていった荷物、使わなくなった家電などがそのままになっていたり、押し入れに詰め込まれていたりする。親御さん自身も「何がどこにあるのか、もうよくわからない」と話す。
こうした状態は、実家の管理が少しずつ負担になっているサインかもしれません。関東在住のAさん(50代)は、お盆に実家へ帰省したとき、かつて自分が使っていた部屋がほとんど物置になっていることに気づきました。母親(70代)は「片づけたいとは思っているんだけど、どこから手をつけたらいいかわからなくて……」と話したそうです。
特に実家が2階建てで、2階の部屋をほとんど使わなくなっているなら、階段の上り下りが負担になっている可能性もあります。2階に子ども部屋や納戸がある場合、親御さんだけで片づけるのは難しくなりますし、換気や掃除も行き届きにくくなります。
このとき大切なのは、「なんでこんなにモノをためているの?」と責めないことです。まずは、「この部屋、最近使っている?」「私の荷物も残っているよね。今度持ち帰るね」と、親御さんの負担を聞くところから始めるとよいでしょう。
②書類やモノがたまり、動線が悪くなっている
次に、書類やモノがたまって、家の中の動線が悪くなっていないかもチェックポイントです。郵便物やチラシ、古い書類がテーブルや床に積み重なっていたり、廊下や階段に物が置かれて歩きにくくなっていたりする場合、親御さんの体力や気力の低下が疑われます。
こうした状態は、転倒のリスクを高めるだけでなく、火災の危険性も指摘されています。もし動線がふさがれているようであれば、早めに整理を手伝うことが安全につながります。
③庭や外まわりが手入れされなくなっている
最後に、庭や外まわりの手入れが行き届かなくなっている場合も要注意です。かつてはきれいに手入れされていた庭に雑草が生い茂っていたり、植木が伸び放題になっていたりするのは、体力的に庭仕事が難しくなっているサインかもしれません。特に、枯れた木がそのままになっている場合は、倒木の危険もあり、見逃すと十数万円の管理費がかかることもあります。
小さな変化を見過ごすと、後々大きな負担になる可能性があります。「実家が前と違う」と感じたら、それは親御さんと実家のこれからについて話し合う良いきっかけになるでしょう。



