ウェザーニューズは6月23日、「猛暑見解2026」を発表し、今年の夏も厳しい暑さとなる見通しを示した。7月から9月にかけての平均気温は全国的に平年より高く、特に7月下旬から8月上旬にかけて暑さのピークを迎えると予測されている。同社は、エルニーニョ現象の継続や太平洋高気圧とチベット高気圧の重なりなど、複数の要因が重なることで記録的な高温となる可能性があると警告している。
気温傾向とメカニズム
7月は太平洋高気圧の本州付近への張り出しが強まり、梅雨前線が北上。低気圧が日本海を東進するため、南風が吹き込み日本海側を中心にフェーン現象が発生し、猛暑となる日がある見込みだ。梅雨明けは概ね平年並みで、その後は夏空が広がり本格的な暑さが到来する。
梅雨明けから8月にかけては、チベット高気圧の日本付近への張り出しが強弱を繰り返す。張り出しが強い時期には、全国的に猛暑日となる地点が多くなり、暑さが一層厳しくなる。9月に入ると太平洋高気圧の張り出しは弱まるが、前半を中心に残暑が厳しく、一時的に暑さが和らぐタイミングはあるものの、平均気温は平年を上回る見込みだ。
昨年の記録的な高温とその要因
昨年(2025年)は7月から全国的に記録的な高温となり、8月も顕著な高温が続いた。その要因として、フィリピン東方の太平洋上での対流活動が平年より活発化し、太平洋高気圧の張り出しが強まったことに加え、チベット高気圧の張り出しも強まり、日本付近が2つの高気圧に重なって覆われる状況が多かったことが挙げられる。また、8月はフィリピン東海上で対流活動が不活発になり、太平洋高気圧が日本の南へ張り出したことで「南高北低」の気圧配置となりやすい時期があった。この気圧配置となった2025年8月5日には、関東甲信地方の各地で最高気温が40℃を超え、群馬県伊勢崎では41.8℃と全国の過去最高を更新した。さらに、上空の偏西風が平年より北寄りを流れ、暖かい空気に覆われやすかったことや、日本周辺海域の海水温が顕著に高かったことも影響した。
2026年の予測とエルニーニョの影響
今夏の偏西風は日本付近で平年より北寄りを流れる予想で、暖かい空気に覆われやすい時期がある。また、日本の周辺海域の海面水温は全般に平年より高く、特に北日本太平洋沖ではかなり高くなると予想され、大気下層が冷やされにくく、北日本を中心に高温をもたらす要因となる。地球温暖化の影響で、北半球全体の対流圏平均気温も平年より高くなる見込みだ。
今年の春に発生したとみられるエルニーニョ現象は夏から秋にかけても継続し、さらに強度の強い「スーパーエルニーニョ」に発展する可能性も示唆されている。このため、太平洋赤道域の東部から中部で海面水温が高くなり、インド洋からの下層の西風が強まり、フィリピン東海上で東風と収束して低気圧性渦が生じやすくなる。これにより、フィリピン東海上での対流活動が活発化し、7月下旬~8月上旬を中心に本州付近への太平洋高気圧の張り出しが強まり、暑さのピークを迎えると予想される。
ダブル高気圧による厳しい暑さ
もう一つの鍵はチベット高気圧だ。太平洋高気圧とチベット高気圧は広がる高度が異なるため、同時期にチベット高気圧が日本付近まで張り出した場合、上空で重なり合って「ダブル高気圧」となり、非常に背の高い一つの高気圧のように振る舞い、厳しい暑さをもたらす。35℃以上の猛暑日が続き、海風の入りにくい内陸部では40℃前後の酷暑となることがある。8月末~9月前半も太平洋高気圧の張り出しは強く、残暑が厳しいため、夏バテ防止の体調管理が呼びかけられている。
エリア別の見解
北日本:7月の気温は平年より高い見込み。北海道は数日周期で天候が変わり、天気がぐずついて暑さが収まる時期もある。東北は月末を中心に暑さが厳しく、内陸部では酷暑日となる可能性がある。8月は平年よりやや高く、上旬は晴れて暑い日が多い。東北内陸部では酷暑日の可能性がある一方、中旬以降は前線や湿った空気、台風の影響で暑さが収まる時期も。9月は気温が高いが、月初めは前線の影響で曇りや雨となり暑さが収まる日も。その後は前半を中心に晴れ、残暑が厳しい。
東日本:7月は平年より気温が高く、下旬を中心に暑さが厳しく、内陸部では酷暑日も。8月も気温は高く、晴れて暑さが厳しい日が多く、熱中症への警戒が必要。内陸部では酷暑日も。中旬は前線や湿った空気の影響でぐずつきやすく、強い雨の降る日もあり、暑さが和らぐことも。9月も気温は高く、前半を中心に高気圧に覆われて晴れ、残暑が厳しい一方、台風や湿った空気の影響で強い雨の降る日もあり、暑さが収まる時期もある。
西日本:7月は平年より気温が高く、下旬を中心に暑さが厳しく、内陸部では酷暑日も。8月も気温は高く、晴れて暑さが厳しい日が多く、熱中症への警戒が必要。内陸部では酷暑日も。後半は特に日本海側で前線や湿った空気の影響で雲が広がりやすく、暑さが和らぐ時期も。にわか雨や雷雨に注意。台風の影響で暑さが収まる時期も。9月は気温が高く、前半を中心に高気圧に覆われて晴れ、残暑が厳しい。後半は天気が周期変化し、暑さが収まる時期も。
沖縄:7月の気温は平年より高い。高気圧の影響で晴れて暑い日が多いが、湿った空気の影響で天気がぐずつき、暑さが和らぐ日も。8月も気温は高く、強い日差しが照りつける暑い時期と、台風や湿った空気の影響で暑さが和らぐ時期がある。夜間も気温が下がりにくく、寝苦しい日が続くため、こまめな水分補給など熱中症対策が必要。9月も気温は高く、台風の影響で暑さが和らぐ時期と、晴れて暑さが厳しい時期がある。
真夏日・猛暑日・熱帯夜の予測
ウェザーニューズは、7~9月の真夏日(30℃以上)、猛暑日(35℃以上)、熱帯夜(25℃以上)の日数が全国的に平年より多くなると予想している。都道府県庁所在地別の予測では、東京・名古屋・大阪・広島・福岡などの大都市や、京都・岐阜・甲府などの内陸部で猛暑日日数が特に多く、京都と甲府でそれぞれ33日、大阪とさいたまでそれぞれ28日と、1か月近く35℃以上の暑さとなる恐れがある。熱帯夜日数も平年を上回る地点が多く、沖縄では91日と平年より10日ほど多くなる見込みだ。



