気温44度の熱波がフランスを襲う:冷房普及率3割、学校閉鎖や死者増の実態
気温44度熱波襲来、フランスで学校閉鎖や死者増

2026年6月中旬、最高気温44度を記録する記録的な熱波がフランスを直撃した。6月17日から28日までの約10日間、最大時には国内7割の県で酷暑警報が発令され、救急搬送の急増で病院は逼迫、停電や交通機関の欠便が相次いだ。

冷房不足が引き起こす非日常

フランスの冷房普及率は家庭の2~3割にとどまる。そのため、大都市では深夜の公園やベランダ、地下室で眠る人々が続出し、その光景がSNSで拡散された。冷房のない学校では休校や時間割変更が行われ、保護者は急遽在宅勤務や休暇を余儀なくされた。

パリを含む内陸部では、市民プールの営業時間延長や冷房完備の公立ミュージアムの無料開放などの対策が取られたが、人口密集地域では十分ではなく、河川や運河の遊泳禁止区域に立ち入る若者が後を絶たなかった。溺死事故や在宅死が多発し、この期間の死亡数は前年比で1000人以上増加すると見込まれている。

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イベント中止とアルコール販売禁止

熱波は「音楽の日」の週末と重なり、野外フェスや冷房のない会場での演奏会が中止に。開催中のサッカーワールドカップ・フランス戦の日には、脱水症状を懸念して夕方以降のアルコール販売が飲食店・小売店で禁止された。

一方、爆発的に売れたのは工事不要のポータブルクーラーで、エアコン購入が難しい層は扇風機に殺到し、格安店では品切れが相次いだ。

なぜフランスは暑さに弱いのか

G7加盟国でありながら、フランスがこれほど暑さに脆弱な背景には、エアコン設置の厳しい規制がある。都市景観保護のため室外機設置に数週間の申請が必要で、歴史的建造物が多い地域ではさらに制限が厳しい。また、冷房は「不健康」とする文化的な認識も普及を妨げてきた。

気候変動による熱波の頻発化が指摘される中、フランス政府は緊急対策として公共施設の冷房強化や高齢者支援を進めるが、根本的なエアコン普及には至っていない。今回の熱波は、先進国における気候変動適応の遅れと社会的格差を浮き彫りにした。

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