北アルプス・剱岳(富山県立山町、標高2999メートル)の山域で今月3日、日本初の「氷河」と認定された雪渓の調査が行われた。「岩と氷の殿堂」として知られる同山域で、立山カルデラ砂防博物館の学芸員らが三ノ窓雪渓や小窓雪渓の標高2300メートル付近を調べた。
調査で判明した氷の形成速度
調査では、削りだした氷の密度から、昨年末から今春までに降った雪が1年もたたずに氷になっていることが新たに分かった。白い層が昨年末からこの春に降った雪の部分で、短期間での氷化が確認された。
氷河は「降雪からできた雪と氷の大きな塊で陸上にあって流動するもの」と定義する雪氷学者が多い。同博物館では平成21年から剱岳や立山周辺の3つの雪渓で調査を開始し、アイスレーダー観測で約25メートルの雪の下に厚さ30メートル以上の氷を確認。さらに、GPSを使い1カ月に30センチほど動いていることを突き止めた。
日本初の認定と今後の展望
この結果をまとめた論文は日本雪氷学会に提出され、今年4月に日本初の氷河として認定された。調査には、立山連峰にある3つの多年性雪渓を氷河とする論文を発表した同博物館の福井幸太郎学芸員(39)、飯田肇学芸課長(57)らが当たった。
飯田学芸課長は「氷河の可能性がある他の雪渓も調査したい。また、氷をボーリングして閉じこめられている数百年分の大気を分析。立山連峰の氷河分布の全貌や環境変化の解明につなげたい」としている。



