夏休み、ペットとして人気のカブトムシやクワガタムシが帰省先から持ち帰られたり購入されたりするが、野外に放さないように注意が必要だ。地域固有の遺伝子への悪影響が懸念され、環境省も注意を呼びかけている。
遺伝的撹乱のリスク
放された虫が地域個体と交雑することで、長い進化の歴史で形成された遺伝構造や多様性が失われる恐れがある。最悪の場合、地域の気候に適応した遺伝子が失われ、絶滅につながる可能性もある。
環境省の呼びかけ
環境省外来生物対策室の担当者は「飼育をする方の協力は不可欠。まずは最後まで飼うことを心がけてほしい」と話す。同省は2015年に作成した「生態系被害防止外来種リスト」に、国内由来の注意が必要な生物として「北海道・沖縄のカブトムシ本土亜種」を掲載しており、現在進めている改訂作業後も載せ続ける方向だ。
新たな研究で裏付け
リスク評価に欠かせない科学的根拠はこれまで限られていたが、近年相次いで発表されている。2025年10月には兵庫県立大学などの研究チームが、広範囲から集めた試料の遺伝子解析結果を公表。放虫がもたらす遺伝的撹乱のリスクを裏付けるデータが示された。今後はこうした根拠を基に対策が検討される見通しだ。



