熊本県で28日夕方に最大震度7を観測した「令和8年熊本地震」を受け、佐賀県内では29日、被災地支援の動きが加速した。県は同日、県庁内に被災地支援対策本部を設置し、県内の各機関と連携して対応する方針を確認。自治体や医療機関が給水活動や医療救護班を現地に派遣した。
県が対策本部を設置、現地のニーズ把握
県は地震発生当日に災害警戒対策本部を設置したが、県内に大きな被害がないことが確認されたため、29日に被災地支援対策本部に切り替えた。県庁で開かれた会議では、リエゾン(情報連絡員)として派遣された職員からの報告で、震度7を観測した熊本県氷川町でトイレやガソリン、水が不足していることや、住家被害認定調査や避難所運営を経験した職員の派遣要請があることが説明された。
平尾健副知事は「本部を設置した。現地の様々な要望に可能な限り応えたい」と述べた。
自治体支援が本格化、給水車や職員派遣
県は29日、九州地方知事会での調整を受け、熊本県氷川町に職員6人を派遣。災害支援経験のある職員も含まれ、避難所運営の支援などにあたる見通しだ。県庁での出発式で山口知事は「熊本の皆さんは心を痛めていると思う。全力で支援してきてほしい」と激励。派遣職員を代表し、県ダム管理事務所の深川祐二副所長が「停電が続いているところもあり、厳しい状況だ。現地のニーズをくみ取り、的確に対応したい」と述べた。
佐賀市は29日、日本水道協会九州地方支部からの要請を受け、熊本県益城町に給水車1台(水道水積載容量1700リットル)と公用車1台、職員4人を派遣。坂井英隆市長は同日の記者会見で「同じ九州の自治体として、現地で必要とされる支援にできる限り迅速に対応したい」と話した。
伊万里市も29日、災害時相互応援協定を結んでいる熊本県菊池市に給水車と職員2人を派遣。現地に向かう市水道施設課の大川内慎二係長(52)は「暑い中で大変な思いをしている被災者に安全な水を配りたい」と話した。
日本赤十字社の医療救護班も出動
日本赤十字社県支部の医療救護班1チームも29日、被災地支援の第1陣として熊本県に出発した。同支部の医療救護班は2024年の能登半島地震や16年の熊本地震でも派遣実績がある。今回のチームは唐津赤十字病院(唐津市)の医師1人、看護師と事務職員各3人で構成。避難所での被災者支援や現地病院での医療支援を行い、派遣期間は31日まで。今後、第2陣の派遣も予定されている。
チームのメンバーは同病院で出発式に臨み、医療物資を積んだ救護車両と救急車に分乗して出発。安元慧大朗医師(39)(整形外科)は「人々の力になれるよう、余震などでの二次災害や熱中症に注意しながら救護にあたっていきたい」と語った。
これとは別に、同支部は唐津赤十字病院の医師と看護師各1人でつくる災害医療コーディネートチームも熊本県に派遣。日赤としての医療活動全体の調整にあたる。



