国の特別天然記念物タンチョウの野生個体として記録されている中で最高齢だった35歳の雄が、6月に根室市内で死んでいたことがわかった。環境省によると、交通事故に遭ったとみられる。
記録されていた個体「T26」
死んだのはNPO法人「タンチョウ保護研究グループ」(釧路市)が「T26」として記録していた個体で、1991年に根室市で生まれ、足輪を装着していた。6月上旬に同市内の国道44号で死体で見つかった。
同グループによると、野生のタンチョウの平均年齢は10歳弱。百瀬邦和理事長(74)は「35年にわたって繁殖や越冬の様子などの生活史を追うことができた」と意義を語り、「近所の人にも親しまれていた個体だが、交通事故という人が関わるリスクで死んでしまったのは残念」と話した。
交通事故などで収容されるタンチョウ増加
環境省によると、交通事故や電線衝突、列車事故などに遭うタンチョウが増えており、2000年度~25年度に計856羽が収容された。
保護の取り組みで個体数増加
絶滅したと考えられていたタンチョウは1924年に鶴居村で「再発見」され、人工給餌などの保護の取り組みが奏功して数を増やしている。2025年1月の道の調査では過去最多の1927羽を記録。環境省は今年3月に公表した「レッドリスト」改訂版で、絶滅危惧種から準絶滅危惧へ引き下げた。



