地震発生時の緊迫した状況
28日に震度6強の激しい揺れに襲われた熊本県八代市の日本製紙八代工場では、複数の煙突が折れるなどして、8人の死亡が確認された。同工場に勤める60代の男性が読売新聞の取材に応じ、地震発生時の緊迫した状況を振り返った。
男性は工場内の機器のメンテナンスを担当し、28日は朝から敷地内で点検作業を行っていた。午後4時頃に工場東側の事務所に戻り、休憩していたところ、「ドドド」という地鳴りとともに、大きな横揺れに襲われた。座っている椅子ごと飛ばされ、体は空に浮いたという。
揺れが収まり、他の作業員らとともに屋外に出ると、張り巡らされている金属パイプは折れ曲がり、建屋1階部分がひしゃげていた。避難場所となっていた敷地内の広場にたどりついた時、見慣れた煙突が折れて見えなくなっていることに気がついた。「まさかあの大きな煙突も折れるなんて。煙突の下にいた可能性もあると思えば恐ろしくてたまらない」と述べた。
被害と救助活動の終了
死亡が確認された8人のなかには知り合いもいた。男性は「今はショックで、何も言葉が出ない」と話した。
工場では30日も消防や自衛隊などが救助活動にあたり、手作業でがれきを撤去する様子が見られた。従業員らが敷地周辺を見て回り、倒壊した建屋を確認するなどしていた。日本製紙によると、この日は従業員同士で工場の被災状況について情報共有を行ったという。
市災害対策本部によると、午後5時半頃に同工場で取り残されていた最後の従業員の救助が完了したと明らかにした。容体や性別は明らかにしていない。



