家庭菜園を始めて1か月半。生育が危ぶまれたオクラやナスは、掘り起こして根をほぐしたのが良かったのか、息を吹き返した。ほかも順調に育ち、畑を訪れた支局長は、ミニトマトをもぎ取っておいしそうに食べていた。一方でやっかいなのが猛烈な勢いではびこり始めた雑草だ。
一度も手入れしなかったため、大切な野菜の苗なのか、雑草なのか区別がつかないほどになっていた。どうしたものかと頭を悩ませ、ある男性のことを思い出した。5月中旬に岡山市であった就農セミナーで出会った大仁田達郎さん(39)。「雑草だらけの農地をきれいにして農業を始めた」と話していた。新見市に会いに行った。
新見市に移住、農業に挑む大仁田さん
大仁田さんは4月、1年後に合流する予定の妻と2人の娘をさいたま市に残し、新見に移住した。保育士をしていた大仁田さんが農業に興味を持ったきっかけは、保育園の家庭菜園。「野菜を育てる喜びを感じた」と振り返る。
本格的に就農の道を探り始めたのは約3年前。新たな人生の拠点を探すため、山梨、長野、山口など8県14か所を軽トラックで訪れたという。そして、新見市の農地付きの古民家に一目ぼれ。「山の中だけど開放感があって、水や木も豊富にある。家族のためには、学校やスーパーが近くにあるのも良かった」と話す。
何のつてもなかった大仁田さんにとって、「県や市の担当者が形だけの支援ではなく、独り立ちするイメージが出来る支援をしてくれたのも大きかった」という。現在は200平方メートルの農地で自家用の夏野菜を栽培し、農業の土台を作っている。将来的には県の研修を受けて、ぶどう栽培に挑戦するつもりだ。
雑草処理のコツは「削り取る」こと
その大仁田さんも、まず驚いたのが雑草だった。「来た時には胸の高さくらいまであった」と語るが、今ではすっかりきれいになっている。雑草処理のコツを聞くと、「削り取るのが楽ですよ」と教えてくれた。根が強く張っている雑草を引き抜くのは「心が折れる」ので、鎌などで土の表面を削るように除去すると効率的だという。
「大きくなる前に削っておくことも大切」と大仁田さん。1か月半放置してきた記者にとっては耳が痛くなるような助言を受けて、岡山市内に戻った。
記者の畑での実践
6月中旬、自分の畑に向かうと、雑草は膝まで伸びていたものもあった。除去しやすいように、まずは手でちぎって背丈を小さくし、大仁田さんに教わったようにスコップのヘリで土を削る。効率的とはいえ、終えるのに2時間ほどかかった。これからはこまめに手入れしようと心に誓った。



